セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.150『激突!』

エンタメ・スポーツ

2007-03-19

 

 エクソンモービルは、今月7日に、富士スピードウェイで、新型タンクローリー「MEU」の発表・試乗会を行なった。「MEU」とは、直訳すると「最も有能な部隊」という名称の略である。この新型タンクローリーは、徹底した軽量化により全長を伸ばすことなく、積載量を増やすことができる上、低燃費エンジンの搭載やスーパーシングルタイヤの採用により、燃費効率を従来型のタンクローリーより15~20㌫向上できるという。

 これまで、自動配送システムやドライバー単独荷卸を業界に先駆けて導入してきたエクソン。この“新兵器”で、ますます業界での効率化で他社をリードすることだろう。世界で最も利益をあげるこの企業グループは、売り上げをあげることだけではなく、常にコスト削減を追及することで、その地位を揺るぎないものとしているのである。

 セルフ化においても、エクソングループのスピードと徹底振りは他社を凌いでいる。一例を挙げるなら、今月、東海地区のエクソン系列店の中で、最も油外収益をあげていた名古屋市内のフルスタンドが閉店し、セルフへの改造工事に入った。普通なら、油外収益トップのドル箱店をあえてセルフ化することには躊躇するものだが、効率化を最優先させるエクソンにとっては、当座の利益よりもコスト競争力を強化することの方が重要と判断したのであろう。さすがである。

 再び、新型タンクローリーの話になるが、この車両の外観は、日本では珍しいボンネット型のトラクターヘッドである。「トラクターヘッドのタンクローリー」と聞いて私がすぐに思い出すのは、あのスティーブン・スピルバーグが弱冠25歳の時に監督した「激突!」(1971年)というサスペンス映画である。テレビでも何度も放映されたのでご覧になった方も多いだろう。主人公がハイウェイで何気なく追い越した1台のタンクローリーが、その後、執拗に彼を追いかけてくる。見る見るうちに迫ってくるタンクローリーのトラクターヘッドが、まるで恐竜の顔のように見える。車を運転する人なら少なからず経験する恐怖を、息をもつかせぬスピードと、見事な演出で描いた傑作サスペンスなのだ。

 ハイウェイをご意見無用とばかりに走る大型タンクローリーは、世界ナンバー1の民間企業を象徴するのにふさわしい。エクソングループはあらゆる分野で効率化を進めることによって、スピードをますますアップさせている。その迫力は、まさに映画「激突!」に出てくるタンクローリーを彷彿とさせる。

 エクソンに限らず、今後、石油元売各社は効率的なセルフ直営店の展開によって、縮み始めた日本市場で熾烈な競争を繰り広げることになるだろう。私のような弱小独立系セルフは、大型タンクローリーが轟々と走っているハイウェイにあって、その間をびくびくしながら通り抜けていく軽自動車のようなものだ。いつペチャンコにされるかわからない。とにかく、いまできる事は、「激突!」の主人公のように、イライラしてタンクローリーを追い越して挑発するようなことはせず、なるべく道路の端を、低燃費で走る続けるしかない。大型車同士の追い越し合戦に巻き込まれて、もらい事故に遭うのもご免だ。

 映画「激突!」には、もうひとつ印象深い場面がある。主人公が途中で立ち寄ったガソリンスタンド(当時はアメリカもまだフルサービス)で、店員に「お客さん、そろそろラジエターホース取り替えたほうがいいですよ」と勧められるが、主人公はそれをすげなく断る。果たしてクライマックスで、そのラジエターホースが破れて車はたちまち減速、あのタンクローリーがものすごい勢いで迫ってくる。結末やいかに…というわけで、やっぱり、ガソリンスタンドでのお車の点検は大切ですよと言いたくなるような映画でもあった。

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