セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.170『中古計量機を手に入れろ』

GS業界・セルフシステム

2007-08-13

 セルフスタンド日進東がオープンして、満7年となった。…ということは、そう、計量機の検定をする時が来たのである。7年前、6本マルチ2台、灯油用ダブル1台の計3台を、日本スタンドサービスという中古計量機を扱っている会社から購入した。当時で5~7年落ちの計量機だったから、今年で12~14年ぐらいの代物となったわけだ。

 当時は、まだセルフ仕様の中古計量機などなかったので、購入した後、製造元に依頼してセルフ仕様に改造してもらわねばならなかった。消防法で定められた定量制御機能を付加することや、安全弁やホース金具などの交換などが施されたうえで、再検定を受ける必要があり、3台で百万円ぐらいの費用がかかった。それでも、新品を買う費用の半分程度に収めることができた。

 開業から7年間、1日も休むことなく稼動し続けた計量機だが、こまめにメンテナンスを施してきたおかげで、まだまだ元気だ。しかし、今後、故障頻度が高くなることは避けられそうにない。また、周辺の後発セルフ店のそれと比べると、モーター音が馬鹿でかいうえ、ノズルも重い。外観もかなり見劣りする。客から文句を言われたわけではないが、やっぱりそろそろ新しいのに換えたほうが営業的にも良かろうということになった。

 とはいえ、3台すべてを新品にすれば、税込350万円ぐらいはかかる。今回も中古で行こうということで、数社に問い合わせたところ、まだ製造して2年足らずの6本マルチ2台、灯油用ダブル1台を税込150万円で手に入れることができた。消防申請、取付工事、既存機器廃棄処分などで20万円ぐらいかかったものの、7年前よりもさらに安く設備投資をすることができた。POSとの接続やセットアップはもちろん自前で行なったのでタダである。

 それにしても、2年落ちのセルフ仕様の計量機が中古機器として販売されたということは、建設してわずか2年も満たずに閉鎖されたスタンドがあったということだ。近畿地方で倒産した某外資系のスタンドから引き上げてきた計量機なのだそうだが、早速ワックスをかけて、ピカピカに磨いてやった。ブルーのボディがまぶしい。

 セルフスタンドが日本に出現してすでに8年経つが、その間、毎年千件を越えるスタンドが姿を消して行った。その多くは、いわゆるフルスタンドのようだが、近年は“早死”するセルフスタンドの数が確実に増加している。それに伴い、まだ十分に使えるセルフ仕様の計量機が廃棄されていることになる。中古機器として再び“嫁入り”できる物はそれほど多くない。大半は元売会社やリース会社が所有しているからだ。

 また、どこの計量機会社の倉庫にも、撤去した計量機が、廃棄されることも、再販売されることもなく眠っている。それらは、元売社有スタンドに取付けられていたものである。元売の帳簿に載っているこれらの“資産”は、おいそれと処分はできず、製造元に預けられているというわけ。もったいない話である。保管料はもらってるの?と尋ねたら、「そんなもの、元売が払ってくれるわけないですよ」─。

 計量機会社としても、新製品が売れなくなってしまうから、積極的に中古計量機を販売することはない。私としては、せめてT社だけでも、展示場を開設するなり、ネット・オークションに出品するなどして、中古計量機を市場に供給してほしい。T社の計量機はエエよ!えっ?T社ってどこだって?あ、そういえば、日本の計量機会社の頭文字は皆「T」でしたな…。

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