セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.200『節目』

オピニオン

2008-03-24

 いよいよタイムリミットが迫ってきたガソリンの暫定税率問題。与野党の話し合いがつかず、ガソリン25円、軽油17円の“暫定分”が値下げとなるのか、それともギリギリのところで税率継続となるのか─。このコラムが油業報知新聞に掲載されるころには、結論が出ているだろう。まあ、我々スタンド経営者はまな板の鯉状態で行方を見守るしかない。

 仮に、暫定分値下げとなった場合、3月中に仕入れたガソリン・軽油をどうすれば良いのかということが業界では話題になっているが、いまのところ、明確な方策は決まっておらず、下手をすれば、泣く泣く暫定分をかぶることになりそうだ。少し前にみのもんたが朝のニュース番組で、仕入れ価格も販売価格もいままでどおりで、消費者が4月1日以降に給油したことを証明するレシートを持って役所の窓口に行き、還付を受ければいいと言っていた。なるほどと思ったりもしたが、所詮無理な話だろう。

 それにしても、私がこのコラムの連載を始めたのが4年前の3月だったが、そのころ1バレル30ドル台だった原油価格は、いまでは100ドル台となり、4年前に100円ちょっとだったレギュラーガソリンが、いまでは150円。少子化・省エネ化により、ガソリン需要が遂に下降曲線を描きはじめた中でのこの高値。もはや成長戦略を描くことが難しくなっている中で、25円の値下げは、業界にとっては一時的な混乱を招いたとしても、ガソリン需要の喚起を促すカンフル剤となり、朗報と言えるのかもしれない。

 「業界が大騒ぎになっているという時に、相変わらず能天気なコラム書いてやがるなぁ」なんて声が聞こえてきそうだが、第1回から能天気さが身上のこのコラム、以来200回続けてまいりました。実際、毎回、真剣に書いていたら4年間200回も続けられるわけもない。それにしても、「激動の4年間…」と言いたいところだが、実際は、来る週も、来る月も、来る年も、代わり映えのしないこの業界に、いささかうんざりもしている。そんな折も折り、今回の暫定税率問題が業界に何か大きな変化をもたらすのではないか、と期待してしまったりするのだ。

 「何を不謹慎なことを書いているんだ!」と、またまた叱られそうだが、これまた第1回から不謹慎が“売り”で書いてきたコラムなので、ご容赦いただきたい。何せ、文学的なセンスをまったく持ち合わせていないものだから、思ったことをそのまま文章化してしまい、これまでにも、油業報知新聞社から、「和田さん、今回のコラムなんですが、あのくだりだけカットさせてもらっていいですか?」と打診を受けたことも一度ならずあった。ちなみに、一足早く掲載している私のホームページの方は、「ノーカット・無修正版」である。

 「結局、あのコラムのオチは、いつも自社が販売しているローコスト・セルフシステムの宣伝じゃないか」とのご指摘もある。ご指摘ごもっとも。なぜなら、これはコラムという形を取った広告宣伝でもあるのだ。おかげさまで、「コラムを読んでお電話したのですが…」というスタンド経営者からの問い合わせをいただき、商談に結びついたケースもある。先日も、北関東のあるスタンド経営者のお店のセルフ改造をさせていただいた。このコラムを書き続けていなければ、決して出会うことのなかった人たちと数多く知り合えたことは、貴重な財産だ。

 というわけで、200回の節目に、このコラムを飽きもせず読んでくださっている顔も名前も存じ上げない方々に、改めて御礼申し上げます。これからも、数多くの人たちと価値ある出会いがありますように。

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