セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.271『販促企画』

GS業界・セルフシステム

2009-08-24

 先日、販売促進の企画会社の社長T氏と会食・歓談する機会があった。彼とは、かれこれ15年ほどの付き合いだが、久しぶりに彼の会社のオフィスに招かれ、いろいろなことを話し合った。とはいっても、やはり会話の中心は、いかにしてガソリンを売る仕組みを作るか、いかにして油外収益をあげる仕掛けを作るかということ。

 ガソリンスタンド業界の厳しい状況は、販促費にも大きな影響を及ぼしている。広範囲にチラシやDMをばら撒き、ティッシュボックスをはじめとする景品の物量作戦で集客した時代は過去のものとなった。

「昔はガソリン1リットルにタマゴ1個なんてイベントもやったよなぁ」

「やりましたよね~、いまから考えると“アホちゃうか”って言うような集客イベントをガンガンやってましたよね」

「最近のガソリンスタンドの販促はどうなの?」

「もう大掛かりな仕事はありませんね。とにかく、細かい仕事をコツコツこなしてるって感じです」

「油外商品の販促の方はどお?」

「こちらも、いろいろ試行錯誤しながら企画を出しているんですが、“これだ”という効果的なアイテムはなかなか生まれないですね」

 このあと、こんなことやってみたら、あんなことやってみたらなどと、思いつくまましゃべくり合って、あっという間に時間が過ぎていった。私がこだわるのは、ガソリンにせよ、油外にせよ、それがシステマチックに販売できないかということだ。少なくとも、セルフ化が可能となったいま、ガソリン販売については、システムによって売ることができるはずだと考えている。

「うちのテクナシステムと、おたくの販促アイテムをうまく組み合わせて、ローコストでガソリンが売れるような仕組みができないものかなあ」

「そうですねぇ…何かオモシロイことができるといいですねぇ…とにかく、和田さんのモットーはじっとしてるってことですもんねぇ(笑)」

「そうなんだよ、ガソリンなんて大してもうかりもしないもの売るんだから、せめて楽して売りたいんだよねぇ。でも、この業界の人たちって働き者が多くて、じっとしていることはけしからんことだと考えてるんだよね。まずは、そういう人たちに“楽して売りましょうよ”と説得するところから始めないといけないのかなぁ」

「そうなると、販促活動と言うよりは布教活動ですよね」

 それにしても、販促会社のオフィスに長居するのは、私にとってあまり良いことではない。ローコスト経営の立場から、販促費も必要最低限に抑えているが、制作中のPOP類などに囲まれながら、T氏のようなアイディアの泉のような人間と話していると、むずむずしてきて、販促費に金を使いたくなってくるのだ。実際、幾つかの企画が、私の頭の中の孵卵器で温め始められている。困ったものだ。

 T氏が語った「何かオモシロイことができるといいですね」という言葉こそ、販促企画の要諦であると思う。売る側も買う側も楽しめるような販売の仕掛けを作ること、なおかつ、それによって、厳しい環境を生き残って行けるような仕組みを作ること─そんな魔法のようなことを、販促企画会社に期待するのは私だけだろうか。

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