セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.324『まだまだ暑い!』

GS業界・セルフシステム

2010-09-13

 9月に入っても、各地で記録的な猛暑が続いている。このまま秋を通り越していきなり冬がやってくるなどと言っている気象学者もいる。では、今年の冬は暖かいのか寒いのか、これもいろいろな予測があるようだが、少なくとも、地球環境に大きな異変が生じているということぐらいは科学者でなくともわかる。人類が国家間の利害調整に明け暮れて手をこまぬいているうちに、我々の生存圏は重大な局面へと追い込まれてゆくのだろう。

 人類の一員としては危惧すべきことではあるが、石油をどんどん消費していただくことで生計を立てている業界人の立場からすれば、今年の猛暑は“歓迎すべき異変”である。所詮、「エコ」より「エゴ」が先に立ち、子どもたちの未来を心配するふりをしながら心の中ではホクホク…といういやらしさを払拭することはできない。罪悪感を抱きながら商売するきょうこの頃なのだ。

 しかし猛暑でいいことばかりというわけではない。1㍑数十銭でも安い商品をと苦労して仕入れたガソリンが、気体となって何百、何千㍑も消えてしまうのだ。私の店は全量業転品なので、欠減補助はなし。系列下にあって補填してもらっているGSも、拡散分をすべて賄うことなど到底できない。ベーパーリカバリー装置なるものを取り付けるという手もあるが、高価な設備のうえ、操作を誤ると先日の愛知県・幸田町での事故のようなこともあるらしい。

 猛暑は、セルフ機器にも思わぬ影響を及ぼす。先日、作業服を着た男性客からの呼び出しで応対すると、外接機に千円札を入れようとしてもうまく入らないとのこと。見ると、その千円札はいましがたまで水に浸してあったかのようにぐっしょりと濡れている。作業服のポケットの中でたっぷり汗を吸い込んだその千円札をヘタに紙幣読取機にに突っ込んだらビリビリになってしまう恐れがあったので、レジの千円札と交換してあげた次第。そこまでひどくなくても、汗の付いた紙幣やプリカが、読取機のセンサーやローラーなどを汚したりして、読取エラーなどを起こす頻度が上がるのも、猛暑の時期ならではの現象だ。

 連日の暑さで客の注意力も散漫になっているようだ。キャップを閉め忘れたり、つり銭やプリカを取り忘れるといったケアレスミスが起きるのも、比較的暑い日が多いように思う。先月、2万円プリカをお買い上げいただいたお客様が、5千円ぐらい給油したあと、「カードをお取りください」という音声ガイダンスも、ピーピーというアラーム音も耳に入らなかったのか、そのまま帰ってしまった。くれぐれも注意していただきたいものだ。

 暑さのせいかどうかはわからないが、GS経営者のアタマも少しおかしくなっているようだ。愛知県日進市では、市況是正と称しての値上げがこの夏のあいだに 3~4回行なわれたが、3日と持たずに下がるということを繰り返し、現在レギュラー価格は120~123円で膠着している。全量業転仕入れでどうにかやってゆける水準だ。しかし、同じ愛知県の一宮市では、112~115円での“暑い”闘いを繰り広げているセルフスタンドがあるそうな。常軌を逸している。勝手にやってチョーとしか言いようがない。地球環境が破壊される前に、業界環境が破壊されてしまうことになろう。そうなればGSは絶滅危惧種の仲間入りだ。来月名古屋で開催されるCOP10(生物の多様性に関する条約国会議)でとりあげてもらえんかねぇ。

コラム一覧へ戻る

ページトップへ