セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.328『百害あって一利なし』

社会・国際

2010-10-11

 今月からたばこの値段が1箱あたり110~140円引き上げられた。「マイルドセブン」で410円。毎日1箱ずつ吸うと、1年で約15万円を灰にすることになる。しかも、それだけのコストをかけて、わざわざ自分の寿命を縮めているわけだから、たばこを吸ったことのない私には到底理解できない。

 わかっているのかね、たばこの煙には60種類もの発がん性物質と140種類もの有害物質が含まれているのだ。そんなものを金を払ってまでせっせと吸い込んでいるなんて、いくら愛煙家が“気持ちを静めることができる”とか“いいアイディアが浮かんでくる”なんて言い訳をしても、全然納得できない。

 そのうえ、喫煙者の吐き出す煙によって、周囲の人々にも害が及ぶ。厚労省の研究報告によると、受動喫煙が原因で、年間約6,800人が死亡しているという。こうなると、喫煙者はほとんど犯罪者に近い。もし、国がたばこ販売を禁止すると、それによる税収減や経済的損失をはるかに上回る医療費の軽減が可能になるとの推計もあるが、それは現実的とはいえないので、今後、たばこ税を懲罰税として段階的に増税し、1箱1,000円ぐらいにすべきとの論議が政府内で行われているという。

 ガソリンスタンドにとっても、たばこは百害あって一利なしの代物だ。灰皿清掃を有料で行なっているGSはいまでもほとんどないだろう。きれいに洗浄したうえ、芳香剤まで入れてお返しして、料金はタダ。この奴隷労働的な作業への憤りが、私をセルフスタンドの経営へと衝き動かしたといっても過言ではない。

 セルフスタンドにとってのたばこは、もう危険物そのものである。最近では、ほとんど見られなくなったとはいえ、たばこをくわえながらの給油客への監視を怠るわけにはゆかない。最近は外国人給油客が増えているが、はっきり言ってマナーが悪い。このあいだも、たばこをくわえて車から降りてきたと思ったら、火のついたたばこをフィールドにポイと投げ捨てる馬鹿野郎がいたので注意したら、某国人であった。

 目を光らせているつもりでも、掃きそうじのためにフィールドに出ると、ポツリ、ポツリと吸殻が落ちていたりする。GSをゴミ捨て場と思っている輩の何と多いことか。喫煙者だけを悪者扱いするつもりはないが、自分の店だけでなく、街路のいたるところでたばこの吸殻を目にするにつけ、たばこなんか1箱1万円ぐらいにしてやればいいのにと思うのは私だけだろうか。

 嫌煙家の私のもとで働く三人の従業員は、いずれも長いキャリアを持つスモーカーどもである。もちろん私の前でたばこを吸うような不届き者はいないが、私がいない時間や場所でスパスパやっているようだ。喫煙者に一遍の同情も持たないボスから、「早死にしても知らねぇぞ」と脅され、「安月給のくせに無駄使いしやがって」と嫌味を言われてもなおたばこを吸っている彼らは、れっきとした中毒患者である。従業員の健康を管理するのも企業の務めだというけれど、我が社は自己責任。健康管理もセルフです。

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