セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.342『静電気』

GS業界・セルフシステム

2011-01-24

 体に静電気を溜めやすい“静電気体質”というのがあると聞いたことがあるが、調べてみると科学的根拠はないらしい。おそらく、静電気を起こしやすい人は、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れなどで、本来弱アルカリ性であるべき体内が酸性に傾き、マイナスイオンを取り込みにくい状態となっているからではないかとのことで、それらの人に見られる共通した症状として、肩こり・腰痛・冷え性などが挙げられるそうな。つまり、健康状態が良くない人ほど、静電気を起こしやすいというわけだ。ガソリンスタンドの経営者なんぞ、年がら年中「もうからんな~」とボヤいてばかりで、ストレスが溜まっているから、さぞや静電気も溜め込みやすい体質かもしれない。

 空気が乾燥するこの時期になると、ドアノブを握ったとき、上着を脱ごうとしたとき、車に乗ろうとしたときなど、指先がピリッとしたり、場合によってはバチッという音とともに火花が飛んだりする。この電圧は、時に数千ボルトにも達すると言われており、静電気は「ミニカミナリ」とも呼べるほどのものなのだ。

 ほとんど数えるほどしか起きていないとはいえ、セルフスタンドでの火災事故の主な原因は、この静電気によるものとされている。給油口のキャップを緩めた瞬間にキャップ付近の車体金属部分に放電し、給油口から出たガソリンベーパーに引火して火柱が上がる、という事故がセルフスタンドの増加と共にちょくちょく発生するようになった。消防署からの通達では、静電気除去シートに触れたかどうかをよく監視し、さわるまで給油許可を出さないようにとあるが、各レーンの給油客がシートをさわったのをいちいち確認するのは難しい。いっそのこと、シートにさわらなければ給油ができないようにシステムを改造してしまうしかない。

 一方、その監視室で給油許可を出すセルフサービスコンソール(SSC)にとって、静電気は大敵だ。タッチパネルには、押した時の圧力を感知して操作する「感圧式」と、人の静電気を感知して操作させる「静電式」の二種類があるのだが、SSCに使用されているのは「感圧式」が大半である。どちらのタイプであっても、指先で触れた途端に、強力な静電気が発生した場合は、誤作動やデータ消失、最悪の場合はCPUが壊れてしまうということも生じ得る。

 私の店のSSCは感圧式パネルなので、操作の際は、頭に消しゴムの付いた鉛筆を使ってタッチするようにしている。消しゴムとしての働きはイマイチのこのゴムで液晶画面を叩いてやると、指で叩くよりも確実に反応するうえ、静電気も起こりにくい。何よりもパネル表面を傷つけることがない。このあいだ、フィギアスケートの大会の様子をテレビで観ていたら、居並ぶ審査員が全員、目の前に置かれた得点を入力するパネルを、この消しゴム付きエンピツでポンポン叩いていたのには笑った。

 セルフスタンドの監視室にはSSCのほかにも、監視カメラのモニターやユニット、場内放送機器、コピー機やパソコンなど電子機器が幾つも置かれている。それらが狭い部屋で常に作動しているため、年中カラカラに乾燥している。電子機器に湿気は禁物だが、適度な湿度がないと静電気が発生しやすくなる─と言うわけで、監視室には適当な加湿器を置いておくことをお勧めする。インフルエンザの予防対策にもなり、一石二鳥。「ジャパネットたかた」のCMみたいなオチでスミマセン…。

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