セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.349『大災害』

社会・国際

2011-03-14

 その日のその時刻,私は所用で,名古屋市内の8階建てのビルの6階にいた。用事が済み,エレベーターに乗って1階のボタンを押した直後,エレベーターのワイヤーがたわむような,ピュンピュンという音が聞こえてきたかと思ったら,5階で停止しドアが開いた。「?」 と思い,フロアに出ると,その場にいた人たちが,「地震ですよ」と教えてくれた。高所であったせいか,しばらくゆらゆらと横揺れが続き,私は軽い船酔い状態となってしまった。

 地震が収まってからもしばらくその場に留まっていたら,だれかが「宮城県が震源地らしいよ」と言っていた。「へ~,宮城県の地震でこんなに揺れたのか~。結構大きかったんじゃないかな~」などと思いながら,階段で地上まで降りて行ったのだが,その後,私達がテレビで目の当たりにしたのは,「デイ・アフター・トゥモロー」や「2012」といったディザスタームービーかと見まがうような光景だった。

 東北・関東地方を襲った巨大地震。阪神大震災の180倍の破壊力と言われても理解不能。とにかく,これまでだれも経験したことのない津波が次々と町を呑み込み,とてつもない数の犠牲者が出ているということだけは確かである。被災地の方々の辛苦は,想像を絶するものであろう。「心からお見舞い申し上げます」という言葉がこれほど虚しく感じることはない。また,その悲惨な情景に心を痛めながらも,茶の間で温かい食事を取っている自分にうしろめたさを感じたりもする。

 このコラムを書いている時点では,現地に赴いての奉仕活動,救援基金への寄付といった支援の要請はまだほとんどなされていない。それよりも,現時点では,各戸別で節電を行なうことで,電力需要の抑制に協力することが肝要だという。私の店でも,とりあえず夜間のキャノピー灯の一部を消灯することにした。恐らく何の貢献にもならないのだろうが,気休めでやっている。

 原子力発電所での危機的状況がどう進展するのか予断を許さないが,もはや再起不能の状態といえるだろう。当然,既存の火力発電所の稼働率を上げざるを得ない。一方,各港湾のコンビナートや油槽所に甚大な被害が出ている。そうなると,当然石油製品の供給がひっ迫するということになるのだが,これもまた,甘受しなければならないことであろう。

 石油売各社はガソリン・灯油などを被災地に優先的に供給するとしているが,当然のことだ。それらの地域への卸価格はブランド料なんてケチなものを乗っけたりせず,できれば儲けゼロで供給して欲しい。その分は,いまも値下げ合戦をやっている愚かなGSへの卸価格に上乗せしていただいて結構だ。

 それにしても,こうした災害を見聞きするたびに,自分の無力ぶりを思い知らされる。こんなコラムを書いている場合か?一体オレは何をやっているんだろう。少なくとも,被災地の人々へ気遣いだけは忘れないようにしたいと思う。例えば,一時閉店をしていたTUTAYA・阿佐ヶ谷ゴールド街店が,営業再開を知らせるツィッターで「テレビは地震ばかりでつまらない,そんなあなた,ご来店をお待ちしています!」と発言して炎上,謝罪する騒ぎとなっている。メルマガやブログを使っている私達は,不用意な発言や,不謹慎な行為を厳に慎むべきだろう。

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