セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.354『パ・リーグ』

エンタメ・スポーツ

2011-04-18

 北海道日本ハムファイターズの斉藤佑機投手が,17日の札幌ドームでの千葉ロッテ戦に先発登板し,味方打線の援護やリリーフ投手陣の好投に助けられ,初勝利を挙げた。5回を投げて6安打4失点は,お世辞にも素晴らしいと言える内容ではないが,四死球を一つも出さなかったのはさすがだ。

 それに先立つ15日には,甲子園球場で開催された東北楽天とオリックスの試合で,楽天・田中将大が気迫のピッチングで見事完投勝利。ヒーローインタヴューで「東北のみなさん,やりました!」と雄叫びを上げた。高校時代のライバルが対決する日も,そう遠くはなさそうだ。

 今年のプロ野球は特別なシーズンを迎えている。東日本大震災で深い悲しみと苦しみの中にある被災地の人々を勇気付け,復興に向けて国民全体の思いを鼓舞するという使命が選手たちに課せられている。その象徴的な存在が,楽天・田中と日ハム・斉藤の対決であろう。

 それにしても,かつては“人気のセ,実力のパ”などと言われてきたが,いまや人気も実力もパ・リーグが完全に上まわっていると実感する。田中・斉藤に限らず,投手・野手共に日本を代表する選手の多くはパ・リーグに所属している。また,かつては閑古鳥が鳴いていたパの球場だが,長期的な視点に立って,地域に密着したファン開拓を行なったことが功を奏し,連日大勢の観客が詰め掛けている。

 この構図を,少々無理やりGS業界に投影して,セ・リーグを系列組,パ・リーグを独立系に見立ててみれば,かつては実力はあっても,暗く,汚いイメージが付きまとっていた独立系GSだが,顧客第一,利益重視の姿勢が徐々に市民権を獲得し,地盤沈下が続く系列組を尻目に,勢力を拡大している。

 かつては,ドラフト会議でパ・リーグの球団に指名された選手から「行きたくない」と言われることが珍しくなかったが,いまや,独立系への転籍をためらうGS経営者はほとんどいない。一方,「巨人」というブランドにあぐらをかいて球場整備やファンサービスが後手にまわったセ・リーグ同様,系列組は石油業界の環境変化に十分対応しきれないまま,高いブランド料だけを支払う羽目になっている。自らの怠慢を棚に上げ,『業転玉にもブランド料相当のコスト上乗せを』と主張する系列組は,開幕延期問題で我を通そうとしてパ・リーグを困らせたセ・リーグのそれと似ている。

 とはいえ,今回の震災でセ・パを問わず,球団経営は厳しい状況に置かれていることは間違いない。ただでさえ,娯楽が多様化し,相対的な人気が低下しているプロ野球がいまやるべきことは何かといえば,大幅なコスト削減だ。入場料を大幅に値下げしたり,被災地域での開催試合は,中学生以下は無料にするなど,とにかくお客さん,特に子どもたちに球場に足を運んでもらう。そのための原資は,年々高騰する選手たちの年俸を一律カットすることで捻出する─いまこそプロ野球が,底力を見せるべき時だと思う。

 原油高と円安で店頭価格の上昇が避けられないGS業界も,ここはひとつ,さらなるコスト削減をはかりつつ,質量共に安定した商品を提供することで,お客様の生活を支援してゆくべきだ。

コラム一覧へ戻る

ページトップへ