セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.370『GS事件ニュース』

GS業界・セルフシステム

2011-08-08

 この一週間ほどのあいだに起きた,ガソリンスタンドにまつわる事件・事故をピックアップしてみた。まずは,今月6日午前10時20分ごろに山形県のセルフスタンドで起きた痛ましい事故。スタンドの敷地内を歩いていた5歳の男の子が,給油を終えて店を出ようとした18歳の少年の運転する乗用車にはねられ,頭の骨を折る重傷を負った。警察は,少年の前方不注意が原因とみて調べている。(8月7日付・読売新聞)

 恐らく,GSのスタッフに過失責任が問われることはないだろうが,夏休みに入り,お子さんを乗せて来店するお客様が多いこの時期,給油中の車から降りてくる子どもたちの安全には,十分目配せしなくてはならない。声掛け点検やカード勧誘も結構だが,まずは安全を保つことに注意を払うべきだ。私の店でも,改めてあすから,子連れ客の動向をよく見守るようにしてゆきたい。

 先月の29日午後8時ごろには,香川県の県道沿いにあるセルフスタンドに,酒気帯び運転の車が中央分離帯を乗り越えて突っ込み,スタンドの事務所の壁に激突し炎上,県道が一時通行規制される事態となったが,火は約1時間後に消えた。警察は,運転していた33歳の男を現行犯逮捕した。(7月30日付・毎日新聞)

 当たり前の話だが,ガソリンスタンドという施設は自動車が頻繁に通る道路に面しているうえ,壁などで囲まれているわけではない。全国どこのGSも,いつこのような事故に見舞われるかわからない。今回の事故では,幸い事務所内のトイレにいた男性客が足に軽傷を負った程度で済んだが,給油中の車が停まっているアイランドに突っ込んでいたなら,大惨事となっていただろう。

 効果的な防止策といえるものはないが,例えば,案山子のように,警察官の制服を着せたマネキンを沿道に置いてみたらどうだろう。酒気帯びやスピード出し過ぎの馬鹿ドライバーが一瞬でもそれを見てブレーキを踏んでくれたら,多少は事故を回避できるかもしれない。あるいは,実際に警察がGSの数十㍍先で“ネズミ捕り”をやってくれれば,これに勝る予防策なし,である。敷地の一部をお貸ししても構いません。

 最後は,まったく種類の異なる事件。新潟県は今月3日,同県柏崎市と刈羽村のガソリンスタンド4ヶ所の洗車場の汚泥から,高濃度の放射性セシウムを検出したと発表した。両市村には東日本大震災や原発事故で被災者らが多く避難しているほか,両市村にある東京電力柏崎刈羽原発の作業員が福島原発に派遣されているため,県は福島第1原発の事故後,避難者や作業員の車に付着したものが洗い流されて凝縮したとみて詳しく調べている。(8月4日付・産経新聞)

 いまのところ行政当局は,農・海産物の放射能汚染の問題で手一杯の感があるが,工業製品も放射能によって汚染されていることは間違いない。これらが拡散するのをいかに防ぐか,早急に対策を講じなければなるまい。被災者の方々にしてみれば,震災によって被った悲しみはすぐには拭い去れないとしても,せめて,愛車や愛用品に付着した放射性物質ぐらいは,一日も早く洗い流したかったに違いない。こうした心情を鑑みつつ, 今後も,放射能問題については,GS業界全体で正確な情報を把握しながら冷静に対応してゆかねばならない。間違っても『被災地車両の給油・洗車お断り』などという馬鹿げた行動を取ることがないように。

コラム一覧へ戻る

ページトップへ