セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.372『雷とオヤジ』

GS業界・セルフシステム

2011-08-22

 先週末は,ほぼ全国的に天候がすぐれず,東海地方では雷の伴う激しい雨が降った。お盆休み明け最初の週末,ただでさえ庶民の懐具合が涼しくなっているところにこの天気。来店台数が減ったうえに,1台あたりの給油量も少ないとあって,我が「セルフスタンド日進東」の販売実績は「アカン」結果に終わった。そこへ持ってきて,キャノピーからポタポタと雨漏りが! 幸い,雨だれが落ちてくるのは,お客様が給油するエリアから外れた場所であったが,早速,大家さんに連絡を入れ,修理を依頼した。

 一方,山間部で営業しているセルフスタンドから,落雷があり,その後セルフコントローラー(SSC)が作動しなくなってしまったとの連絡を受けた。滅多に起きないことではあるが,どうやら,ハードディスクかマザーボードあたりがやられてしまったようなので,週明けに修理に行くこととなった。といっても,その場でチャッチャと直せないと思うので,代替機を貸与・取付のうえ,故障機を持ち帰ってメーカーに修理依頼をすることになるだろう。エプソン様ヨロシク。

 様々な電子機器によって動いているセルフスタンドにとって,雷は恐るべき敵である。今回のように,スタンドに直接雷が落ちることは稀だとしても,落雷による停電で,システムダウンしてしまうことは十分予期できる。その際,お客様が給油中だったりすると,その時点の給油量・金額データが消失してしまうこともあり得るので,雷が近づいてきたら,しばらく給油を待ってもらったほうが良い。また,給油システムの頭脳であり,心臓でもあるSSCまたはPOSを,雷による異常電圧(サージ)から守るため,雷ガードタップを使用するなど,最低限の防衛策は講じておくべきだろう。

 停電後,しばらくして復旧した場合でも,POSの外接機が作動しなかったり,計量機のモーターが回らなかったりする場合がある。そのような場合は,大抵,POS本体と計量機・外接機間での通信エラーが生じており,関連する機器の電源を切り,もう一度,電源を入れ直せば復旧する。恐らく,通信機器のほとんどのトラブルは,この「電源を入れ直す」という作業によって回復するので,落ち着いて対処していただきたい。

 ところが,電子機器に潜在的恐怖を抱いている人は,こうしたトラブルが発生するとパニック状態に陥ってしまい,電話口で『何とかしてくれ~,すぐに修理に来てくれ~』と叫ぶばかりで,こちらの指示に聴き従ってくれない。往々にして,中高年の経営者・管理職クラスの方に多い。気持ちは解らないでもないが,あまりの取り乱し様にこちら側もうんざりする。『すみません社長,ちょっとスタッフの方に代わっていただけます? (スタッフの女の子が電話口に出る) あ,すみません。ちょっと,いまからわたしが言うとおりの手順でやってもらいたいことがあるんですが…』─。

 ほとんどの場合,これでスムーズに復旧できる。“地震・雷・火事・オヤジ”とは,昔の人はよく言ったものだ。地震と火事の脅威は昔も今も変わらないが,雷が今日の電子社会にこれほどの打撃をもたらすことになると予見し得ただろうか。そして,電子機器のトラブルに我を失い,電話口でかんしゃくを起こす,ある意味雷よりも始末に終えない,困った“オヤジ”どもの存在も…。

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