和田 信治
オピニオン
2011-09-26
半年ぐらい前に,油業報知新聞・名古屋支局のSさんと雑談していた時のこと,SさんがあちこちのGSを取材でまわっていると,PBになることを真剣に考えている経営者が結構いるという話題になった。
「やはり,昨年6月のJX誕生以降,仕切り価格に「ブランド料」が上乗せされたことが大きいみたいですね。業転を月に一,二車“浮気買い”する程度じゃ何ともならないし,元売りも以前のように価格交渉に応じてくれることもなく,さりとて長年掲げていたマークを降ろしていいものかどうかと不安もあるようで…」とSさん。
「いまごろそんなこと言っている人たちはもう“周回遅れ”もいいとこですよ。もう“浮気”をしたって,元売りは振り向いてくれないばかりか,絶縁状突きつけられるのが関の山ですからね。元売りの植民地となるか,PBとなって独立国家となるかの二者択一になりつつありますね。テレフォン・ショッピングのマーフィー岡田じゃないけど,「あとは勇気と決断力!」ですよ」と私。
そ もそも,PBになれば安く仕入れることができて,いまより経営状態が改善されるんじゃないかという考えが甘い。「となりの芝生は青く見える」のだろう。しかし,PBになってみればわかることだが,元売系列に属しているゆえに受けている恩恵もある。(もっともそれらも年々少なくなってきてはいるようだが…) とにかくPBスタンド経営はそれはそれで,結構大変なのだ。
「だったら,PBになるとはどういう覚悟が必要か,どんなメリットがあるか,またデメリットは何かということを,いま迷っているGS経営者のみなさんにわかりやすく教えてあげるような場を作ってみたらどうですかね~。ついでに,和田さんがいつも言っているローコストセルフ経営についても,直接質問に答える機会があれば,“布教活動”の一助になるんじゃないでしょう」─。
おいおい,何か変な方向へ話が進んでいるぞ。Sさん,一体何をたくらんでいるのだろう,と思っていたら,このたび,油業報知新聞主催の『SSソリューションセミナー』なる催しが来たる10月6日(木)に名古屋で開催されることになった。テーマはすばり,「プライベートブランドの可能性を探る」
へぇ~,油業報知さんもずいぶん思い切ったことをやるもんだねぇ~。これまで,業界新聞は(特に某メジャー紙は)元売りさんに遠慮して,PBなんて無いが如きの扱いをしてきたのだが,そのPBを本格的に,しかも“光と影”の両面を取り上げようというのだから,おそらくわが国初の画期的なセミナーといえる。しかも,基調講演者は,独立系GSの「生き字引」で,油業報知でも毎週健筆を振るっておられる関匡氏。これは聞き逃せませんな~。そのあとには,独立系GS経営者や業転商社の幹部などによるパネルディスカッションも行なわれる。不肖・私もパネラーの一人として末席を汚させていただくこととなった。一体どうなることやら。とにかく,PBになろうかどうかと迷っていらっしゃるGS経営者の方は,暇つぶしに是非どうぞ。決して,団体等への入会を強要されたり,高価な物品を売りつけられるようなことはありませんからご安心ください。詳しくは油業報知新聞へお問い合わせいただくか,ウェブサイト http://yugyouhouchi.co.jp/ をご覧ください。
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