セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.389『今年の出来事』

オピニオン

2011-12-26

 この時期になると,「今年の十大ニュース」が発表されるが,今年は一も二も無く,東日本大震災がダントツの1位であろう。震災直後は,名古屋9号地においてもガソリンを“出す,出さない”でひと悶着があり,我が「セルフスタンド日進東」もほんの一時だが“ガス欠”の危機が生じた。そのため,まず一万円と二万円の高額プリカの販売を休止,灯油の計量機には「お一人様一缶でお願いいたします」の張り紙。さらに,3月19・20日の2日間,夜間の9時間を閉店するに至った。これによって,2000年5月23日午前零時のオープン以来,一日も休むことなく続けてきた連続営業記録が途絶えたわけで,これが我が社の今年最大の重大事であった。

 それにしても,持つべきものは業転ルート,元売や商社が軒並み出荷制限をかける中,ガソリンを融通してくれた○商事のMさんには本当に感謝したい。夏になったら生ビールご馳走しますとの約束が果たせないまま今年が終わってしまうのが心残りだ。Mさん,震災一周年を迎えるまでにはお礼しますから…。

 私個人は,幸い今年も健康な体で一年を過ごせそうなのだが,5月に生まれてはじめてギックリ腰をやらかした。椅子に座っていて何かの拍子に少しかがんだ途端,腰に激痛が走り動けなくなった。不屈の回復力(?)で3日後にはクルマを運転できるまでになったが,いや~ホンマに痛かった! だれだ? セルフスタンドの監視室に引きこもってばかりいるから体が鈍っていやがるなんて言う奴は! ギックリ腰になればセルフスタンドがいかに素敵な職場かわかるってば!

 再び業界に目を転じると,今年も,かつては地域の代表的なGSだった会社が幾つも倒産した。元売との共存共栄を信じて拡大路線を走ってきたが,その元売の“変質”に対応することができないまま沈没した会社も少なくない。ある系列GSの店主曰く,「ウチの元売はライオンのように我々を崖から突き落としてふるいにかける。でも,ライオンは這い上がってきた子どもを大切に育てるけれど,元売はその子どもを喰っちまうんだ!」─。

 自分の会社のアイデンティティーを見いだせず苦悩するGS経営者の助けになればということで10月6日に油業報知新聞社が名古屋で開催した「SSソリューションセミナー」は,恐らく業界ではじめて,正面切ってPBスタンドになる手ほどきを行なったセミナーだろう。30人ぐらいは来るのかな~と思っていたが,70人も,それも東海地方以外からもGS経営者が多数出席された。また“迷える子羊”の鳴き声を聞きつけて群がってきた商社などの狼たちの姿も。正直言って,セミナーの内容そのものはいまひとつ盛り上がを欠いたが(私が司会者だったからという説もある),セミナー終了後に,あちらこちらで羊と狼が名刺交換をしている光景は,来年以降も,PBスタンドは一段と増加するであろうと予測させるものであった。

 古代マヤ文明の暦によると,2012年12月22日に地球の大変動によって人類は滅亡するとのことだ。もし成就するのなら,中東情勢がどうだの,電気自動車がこうだのなんて心配は無用ですな。今年もお世話になりました。

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