セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.391『合同お見合い』

オピニオン

2012-01-16

 昨年の夏に,私と妻の共通の友人である共に30代の男女をお見合いさせたところ,トントン拍子で話が進み,今春めでたくゴールインすることとなった。実はいままでにも,親族や友人から頼まれるかたちで男女の仲を取り持ってきており,通算成績としては5組目のカップル誕生となった。

 結婚の意思があるかどうかもわからない異性を「まずはお友だちから」と紹介するのとは異なり,お見合いは,すでに結婚の意思を持っている人同士が向き合うわけだから,目の前にいる相手が自分の伴侶となるにふさわしい人かどうかを一回目から意識し,それを前提とした会話をすることができる。ダメだと感じても,直接断らずに,その旨仲介人に伝えればそれでおしまい─というのも後腐れが無くて良い。実に合理的な取り決めだ。

 近年,系列を離脱しPBとなるGSが増えていることはご承知のとおり。そして,その何倍もの軒数のGSが,いまだPB化を検討中である。あなたもそのひとりかもしれない。おそらく「検討中」とはすなわち,「お悩み中」ということなのだろう。ある地方都市のGS経営者から,『○□市のような地方都市では,元売マークを掲げていないと顧客からの信用が得られないのではないか』との相談メールをいただいたことがあるが,PB化すべきか逡巡している経営者の心中はおおよそそんなところだろう。迷信を恐れている哀れな人々だ。

 しかし,こんまま手をこまぬいていれば立ち行かなくなってしまうとの危機感は年々高まるばかりだ。『じゃあ,とりあえずローリー一車分だけ業転ガソリンを買ってみようか。でも,どうやって買えばいいんだろう。価格はいくらぐらいなのかな。こんな地方都市まで運んでくれるんだろうか』─カツラのCMみたいに,「悩んでないで,まずはコチラに連絡してネ」なんて言ってくれる会社もなし。多くのGS経営者は,迷信によって盲目にされ,情報不足で行動を起こせずにいる。

 そこでわたしが思いついたのは,そうしたGS経営者と業転販社との「合同お見合い」をやってみてはどうかということ。先にも述べたとおり,お見合いの良いところは,結婚,つまりPB化することを前提とした話し合いをすぐに始められることだ。逆に,その意思もないまま“お見合い”に来られても迷惑なだけだ。学生の就職説明会のように,会場に幾つかブースを設け,いろいろな販社と個別にお見合いができるようにしても良い。

 『当社は日曜日でも運びますよ』『10㌔からでもOKです』『支払いサイトの融通が効きますよ』『ハイオクはレギュラー価格8円プラスでやらせていただきます』など,業転販社間では価格以外にもサービス内容に違いがある。自分のスタンドに最も良い条件の仕入先はどこか,そうした機会にじっくり吟味できる。

 一方,業転販社にとっても,このような機会を活用するならば,PB化はおろか,業転ガソリンを一滴たりとも買う気のない会社にまで営業に行くというような時間の無駄をなくすことができるのではないだろうか。

 ところで,妻とはお見合いの世話をするのはもうやめにしようと話し合っている。一文にもならないばかりか,時間やお金がかかる作業だし,そもそも私の本業は,結婚相手を紹介することでも,業転販社を斡旋することでもなく,セルフスタンドの「コーディネーター」なのだから。

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