セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.457『今でしょ!』

GS業界・セルフシステム

2013-05-13

 「油業報知新聞」の調査によると,2013年3月末現在の元売8社のGS総数は26,629ヶ所で,前年比 1,289ヶ所,4.6%の減少となった。その一方で,セルフGSは前年度に対して167ヶ所増えて,7,172ヶ所となった。セルフGSが2日に1ヶ所のペースで誕生する傍ら,既存GSが1日3.5ヶ所ずつ臨終していったことになる。

年間減少数は2009年度から3年連続で減っていたのだが,今回4年ぶりに増加に転じたそうだ。やはり,今年2月から厳格化された地下タンク規制の影響が大きいのだろう。内訳を見ると,1万1千ヶ所を擁するJXは,447ヶ所減らしたが,社有店舗はその2割弱だった。その他の元売も概ね1割未満で,消滅したGSの大半が,代理・特約店所有のものだったことがわかる。

 元売社有店舗の過半数はセルフで占められている。コスモ石油に至っては745ヶ所のうち76㌫までがセルフスタンドだ。従来型のGS経営からの転換が進まない代理・特約店が“時間切れ”廃業へと追い込まれてゆくのを尻目に,元売はセルフ化を着々と進めていったことが,今日の優勝劣敗の構図をもたらしている。

 日本にセルフ式GSが誕生して15年が経つが,当初,元売各社の経営幹部は,異口同音に“セルフは日本の風土や習慣にはそぐわない”というような見解を述べ,消極的な姿勢を強調していた。だがそれは,当時の系列店主たちを刺激しないための方便であって,実際のところ,どの元売もセルフ化による店舗展開を研究していたはずだ。いまや,“セルフにあらずんばGSにあらず”といった有様である。

 伸張を続ける元売セルフと伍してゆくためには,系列・PBの違いを問わず,こちらもセルフ化してゆくしかない。“フルサービスの良さを前面に出して対抗する”という考えもあろうが,厳しい価格競争の中で,そんなロマンが果たしてどこまで,いつまで通用するか。また,航空母艦のような元売の大型セルフと同じようなことをやってもかなわない。それら社有セルフGSの多くは100㌫販社が運営しており,ガソリンを“売る”のではなく“捌く”ことを至上命題としている。採算は二の次なのだ。そんな相手と同じ土俵で勝負して勝てるはずがない。身の丈に合った,ローコスト・タイプのセルフシステムを導入することこそ,生き残るための秘訣である。

 いまさらなぜこんなことを書くかといえば,地下タンク規制の厳格化によって廃業を決断した経営者がいる一方で,この機会を,GSのリニューアル,とりわけ,セルフへの転換の機会ととらえているGS経営者も少なからずいるからだ。そのような方には,一度,弊社のホームページをご覧いただき,ローコスト・タイプのセルフシステムの導入を検討していただきたい。

 もし,当座はいままでどおりの運営形体を続けてゆくとしても,地下タンク工事の際に,計量機を6本マルチ型のものとしたり,アイランドに泡消化管を敷設するなど,近い将来いつでもセルフスタンドに変身できるよう下ごしらえを施しておくことをお勧めする。しかし,元売セルフが再び勢いを増しつつある目下の状況では,やはり一刻も早くセルフ化の準備に着手するのが賢明であろう。いまだに迷っておられる方には,東進予備校へ行って林先生に気合を入れてもらうことをお勧めする。「いつやるか? 今でしょ!」─。

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