セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.462『ルール』

エンタメ・スポーツ

2013-06-17

 呆れるやら,腹が立つやら─。プロ野球で使用する統一球について,日本野球機構(NPB)が今季からボールを飛びやすいものに変えながら公表していなかった問題。ホームランが激減し面白くなくなったというのであれば,「やっぱり“飛ぶボール”に戻します」と宣言すればいいだけの話ではないか。どうしてそれを選手やファンに内緒ですり替えるような姑息なことをするのか。コミッショナー以下NPB幹部の体面を守ろうとしたとしか思えない。

 それにしても,NPB幹部は黙っていればバレないと思っていたのだろうか。そうだとすれば本当に愚か者だ。実際,各球団の監督・コーチ・選手は,今年のオープン戦の頃から“今年のボールは飛ぶな”と気付いていたという。そうならそうで,もっと早くから声を上げていれば良かったんじゃないかとも思うが,やはり非はNPB幹部の側にあると断じざるを得ない。

 各地域で元売100㌫子会社のGSが系列店への卸価格並みの販売価格を表示していることはご承知のとおり。元売に質せば“決して特別扱いしていない”との返事が返ってくるが,実際にプレーしている我々「プロ」の目から見れば,とても同じ“ボール”を使っているとは思えない。元売はいつまでもシラを切っていないで「100㌫子会社には“飛ぶボール”を調達しています」と白状した方が良いと思う。

 実際,100㌫子会社は,FA宣言して他のチームに移籍(マーク替え)するようなことは決してしないし,契約更改でごねる(値引き要求)こともない。チームの方針に異を唱えるようなこともなく,ベンチのサインどおりにプレーする最も可愛いプレーヤーなのだから,多少の優遇をしたとしてもおかしくない。それが気に入らないというならば,自分がチームから出てゆくしかない。

 いわゆる「ブランド料」に関する議論も相変らず続いている。業転ガソリンとの格差は4~7円の開きがある。これを是正してもらわなければ勝負にならないというのだが,全量業転に頼る我々独立系スタンドからすれば,クレジット会員システムや様々な販促プログラムの費用も“込み”の価格だということを理解していらっしゃいますかと問いたい。そうした恩恵に浴しながら,なおかつ業転と同じ“ボール”にしろというのは,逆の意味で不公平だと思う。

 野球ネタでもうひとつ苛立たせられたのは,ルール変更をしてでもオリンピック種目復活を目指しているという話。WBCの投手に対する球数制限ですら余計だと感じている私にとっては,「7イニング制」にするとか,「2アウトでチェンジ」にするとか…もう,信じられない。そうまでして五輪種目に入りたい理由が全然わからない。そんなルールの野球が魅力的になるとはとても思えないのだ。

 確かに,時代や環境に応じて規準や規則を変えてゆくことは悪いことではない。伝統や慣習にこだわる必要もない。しかし,人を欺くような仕方でそれを行なったり,無原則に妥協して行なうのは決して良い結果を生まないと思う。我々にとって最も重要な「仕入れ価格」のルールについても同じことが言えるのではないだろうか。

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