セルフ給油システム・周辺機器　販売・施工
和田商事株式会社

　いまや、ガソリンスタンド業界人でＣＯＣを知らぬ者はいないだろう。ＣＯＣ─中央石油販売事業協同組合は、独立系スタンド業者によって1990年に結成された、通称“第二組合”と呼ばれる組織である。当初は、愛知県春日井市の明知石油販売をはじめ数社で始まったＣＯＣも、設立15周年を迎える今年は、50社200ヶ所以上のスタンドが加盟するまでに成長した。加盟店は、いずれ劣らぬ猛者もさぞろいで、それぞれの地域で安売り量販店として名を馳せており、周辺の同業者からはテロリストのように恐れられている。

　しかし、彼らを単なる無法者扱いするのは間違いだ。むしろ彼らは、ガソリンスタンド業界が、コスト競争なんて考えもしなかった時代からローコスト経営に取り組んできた先駆者なのだ。そのノウハウの蓄積は大したもので、昨年、ＣＯＣはその成果を「独立経営ガイドブック」という一冊の書籍にまとめ発表している。いまや、ガソリンスタンド業界において確固たる存在となったＣＯＣ。その動向は、資源エネルギー庁も注視していると言われている。

　そのＣＯＣの、今年最初の活動となる新年研修会が、来たる22、23日の二日間、静岡県焼津市において開催される。加盟店以外にも、オブザーバー参加者歓迎とのことなので、相変わらず何の啓発も刺激もない系列元売や地域組合の賀詞交換会にうんざりなさった方は、試しに参加してみてはいかがだろう。ガソリンを安く仕入れる方法や油外収益を増やす方法、セルフスタンドの効率的な運営の仕方などなど、聞き耳を立てたくなるような話が聞けるかもしれない。お問い合わせは、電話0568-47-0081・名城石油・荒川社長までどうぞ。　

　かく言う私も、今回、この研修会に出席することになった。実は、ＣＯＣの事務局の依頼で、研修会のプログラムで１時間ほどセルフスタンド経営の苦労話をしゃべらされることになっているのだ。ＣＯＣのメンバーを前にして、私如きが一体何を語れると言うのか！？私が、「セルフはローコストだ！」なんてしゃべったって、釈迦に説法じゃあないか。というわけで、私は一度はお断りしたのだが、「和田さんがいつも油業報知の記事で書いているようなことをしゃべってくれればいいんですよ」と言われ、少し気が楽になったのと、ＣＯＣという、いま業界で最もラジカルな集団の中に身を置くことへの好奇心とが働いて、ノーギャラでお引き受けすることにした。愛知県の田舎町で小さなセルフスタンドを経営し、ローコスト・セルフの効用を説いて下手なコラムを書いているうちに、思わぬ経験をすることになってしまったわけだが、はてさてどうなりますことやら…。