セルフ給油システム・周辺機器　販売・施工
和田商事株式会社

　名古屋で暮らす巨人ファンの私にとって,居酒屋やスポーツバーは完全に“アウェー状態”。しかも,落合博満が監督を務めた2004年から一昨年までの8年間は,まさにドラゴンズ黄金時代とも言える時期だったため,竜党たちの威勢も凄かった。2007年には巨人がリーグ優勝したにもかかわらず,その年から導入されたクライマックスシリーズで2位の中日に三タテを食らって日本シリーズに出場できないという屈辱を味わった。翌日,女房と一緒に買い物に行ったら,どこのスーパーでも,水木一郎が歌う『燃えよドラゴンズ』が延々と流れていて発狂しそうになったのを覚えている。

　そんな不遇な環境にいる名古屋の巨人ファンが集まる数少ない居酒屋が,自宅から程近い場所にある。巨人が2年連続リーグ優勝に王手をかけた21日,歓喜の瞬間を巨人馬鹿共と味わおうと,いそいそと出かけていったのだが,逆に広島カープに返り討ちにあってみんなガックシ。取材に来ていた報知新聞の記者も｢また明日来ます…｣─。

　翌22日,阪神がデーゲームで負けて締まらない格好で優勝したのだが,昨年も今年も2位に二桁のゲーム差をつけての連覇は,巨人が強くなったからというよりも,中日が急激に弱くなったからだ。私は,2年連続リーグ優勝を成し遂げ絶頂期にあった落合監督を解任した時点でドラゴンズの凋落を予言していたのだが,ここまで弱くなるとは。プロ野球“伝統の一戦”といえば巨人×阪神だが,私にとっては巨人×中日なのであって,ドラゴンズが弱っちいといまいち面白くないのだ。ガンバレ,ドラゴンズ！

　ドラゴンズの成績は,東海地方,とりわけ愛知県の経済に大きな影響を及ぼす。ある調査機関の算出では,ドラゴンズが日本一になった場合の経済効果は200億円超にも及ぶそうだ。当然,愛知県内のガソリンスタンドの売上げにも少なからぬ影響があるだろう。ひとむかし前の話だが,愛知県のあちこちに『ドラゴンズが勝った翌日にはガソリン○円引き』という看板を出しているＧＳがあった。ドラゴンズが10連勝でもしようものなら大赤字なのだろうが,ユニークな戦術は一時期ブームになったものだ。

　女房も,｢巨人が優勝しても名古屋じゃあどこも感謝セールやらないじゃない。やっぱり中日が優勝してくれたほうがうれしいわ｣と,私を責めさいなむような事を言う始末。こうなったら,我が｢セルフスタンド日進東｣で,『きょうから三日間,巨人優勝感謝フェア開催！ガソリン10円引き！ただしドラゴンズファンの方,来店お断り』とやろうかな。たぶん逆効果だろう。

　前述の巨人党の居酒屋には,普段はいろいろなチームのファンもやってくる。例えば,千葉県から転勤で名古屋に来ているという男性は,大のロッテファン。｢おたくの○□と,うちの□○とトレードしましょうか｣｢いや～,それは無理,△○とだったらいいけど｣なんて会話を焼酎飲みながら楽しむのだ。結局,みんな野球ファン。強いチームも,弱いチームも,皆それぞれにファンがいて,みんなが手に汗握るペナントレースを願っている。そして,みんな,加藤コミッショナーが辞任したのは当然と考えている。

　ＧＳ業界も,チーム数は減っているものの(このたび,またひとつ｢ＭＩＴＵＩ｣というチームが消えそうだが),それぞれのマークを身に付けているＧＳがあり,ＰＢスタンドもまた同じリーグで戦っている。フルサービス店,セルフサービス店,それぞれが特長を生かして“交流戦”を展開している。優勝劣敗は世の習いだが,ＧＳ業界が繁栄してほしいという思いにおいてはひとつのはずだ。