セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.49『ライブドア騒動』

オピニオン

2005-02-28

 ニッポン放送の株式をめぐるライブドアとフジテレビのバトルは、この記事が掲載されるころには決着しているだろうか。先月23日、ニッポン放送は敵対的買収によって同社株の40%超を取得したライブドアへの対抗策として、フジテレビに発行済み株式を大幅に上回る新株予約権を割り当てると発表。フジがこれを行使すれば保有株式は過半数を超え、ニッポン放送を子会社化できる。これに対し、ライブドアは、新株予約権の発行差し止めを求める仮処分を申請、ニッポン放送株の争奪戦は法廷闘争に発展することになった。

 連日報道されるこのニュースの中で、私がズッコケそうになったのは、政界や財界の偉い方々が、ホリエモンのやり方をこう言って批判したことだ。「カネさえあれば何でもいいんだ。力ずくでやれるんだという考え方は日本の教育に悪影響を及ぼす」─。ちょっと待ってくれ、戦後一貫して“カネがすべて”という考え方をはびこらせたのは、あなたたちじゃないの!?それに、カネで株を買い占めることが不道徳というなら、何のために株式市場があるんだろうか?

 さらに、放送会社のような公共性のある企業が買収されることに危惧の念を抱く人たちもいるが、じゃあ、そんな会社がなぜ上場しているのかということになる。それに、「めちゃイケ」や「トリビア」や「ミリオネア」のようなものが“公共性”なんていう高尚なものとどう関係があるのか、私にはさっぱり分からない。

 私は、ホリエモンの肩を持つわけではないが、彼を批判する人々の言っていることに全然説得力がないばかりか、本来の争点とは関係のないことを言っているように思える。結局、株主が変わった途端、自分たちがクビになるのが怖くて抵抗しているというのが本音なんじゃないの?正直にこう言えばいいじゃないか。「あんなネクタイもしない若造に指図されるのは我慢できない」と─。

 自分より格下だと思っていた人間が、考えもしなかった発想や行動を起こしたとき、矛盾だらけの理屈をつけて反対したり、妨害したりするのは、石油業界も同じこと。元売りは販売店を格下と考えているから、販売店が独自の施策を打ち出そうものなら、それが理に適っていようがいまいが、とにかく反対する。

 以前、うなぎの寝床のような土地に、無理やりスクエア方式で計量機を配置しようとする某外資系元売りの開発担当者に、ゲート方式の方が理に適っているとして説得を試みた。しかし、担当者は頑として応じない。納得の行く答えを求めて問い詰めると、遂に逆ギレして、「親会社がダメというものはダメなんだ!販売店の言うことには従えないんだ!」と、ようやく“納得の行く”答えを出してくれた。彼等にしてみれば、販売店ごときの意見に従うのは、沽券にかかわると思っているのだろう。

 そんな調子だから、セルフについても、狭い敷地を有効に活用したローコスト・セルフに改造しようとすれば、「給油のみセルフ」という蔑称でこれを呼び、そんなセルフは将来的に生き残れないと決め付ける。(根拠を示せよ、根拠を!)また、セルフ改造コストを抑えようとして、販売店が様々な工夫を凝らそうとすれば、ブランド・イメージにそぐわないとしてやめさせようとする。(じゃあ、割高なコストをだれが負担してくれるんだ?)さらには、自分たちは100㌫子会社を使って大安売りをしているくせに、独立系セルフが企業努力でロープライス戦術を取ると、「量さえあれば何でもいいという考え方は問題」として、地元組合をたきつけて圧力をかける。やることなすこと、まったく納得できないのだ。ライブドアいじめをしているジイさまたちも、販売店を抑えつけている元売り幹部も、自分たちの権威や面子を保つことのみに必死になっているように思えてならないのだ。

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