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和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.497『予見しえない出来事』

エンタメ・スポーツ

2014-02-24

 『速い者が競走を,あるいは力のある者が戦いを自分のものにするわけではない。また賢い者が食物を得るのでも,理解のある者が富を得るのでもなく,知識のある者たちが恵みを得るのでもない。なぜなら,時と予見しえない出来事とは彼らすべてに臨むからである』─旧約聖書「伝道の書」9章9章11節。

 ソチ・オリンピックで“優勝最有力候補,メダル獲得は確実”などと喧伝されていた選手たちが,まさかの不振・失敗で茫然自失となっている姿をテレビで観ながら,改めて冒頭の格言を思い出した。オリンピックにあまり関心のない私でも,フィギアスケート・女子で浅田真央選手がショートプログラムで16位だったと朝のニュースで知った時には驚いた。

 アスリートたちは異口同音に“オリンピックは他の国際大会とはまったく違う”と言うが,やはり「国家の威信」や「国民の期待」という“魔物”が,アスリートたちの肉体や精神を狂わせるのではないだろうか。スキージャンプ・女子で4位に終わった高梨沙羅選手が,涙をこらえながらインタヴューに気丈にこたえる姿を観ていてもらい泣きした。17歳の少女がどれほど大きな荷を背負って跳躍したかを思うと可哀想でならなかった。恐らく彼女は4年後に向けて再びジャンプ台に立つのだろうが,壊れてしまうんじゃないかと心配で,こう声を掛けたくなった。「沙羅ちゃん,もう十分だよ。オリンピックだけが人生じゃないよ」─。

 とかく世の中では『予見しえない出来事』ばかり起こる。ついこのあいだまで“勝ち組”だと賞賛されていた優良企業が,大赤字に陥ったり,倒産の危機に直面しているのを見聞きすると,経済誌を読みあさったり,セミナーで話を聞いたりしても,無駄ではないだろうが,それほど役立つとも思えない。十年後の石油業界の予測なんか興味ない。どうせ当たりっこないよ。

 そうは言っても“転ばぬ先の杖”という言葉もある。先のことをなんにも考えないで会社を経営するのも無責任といえる。『予見しえない出来事』に備えてなすべきこととは何なのか。これまたアスリートたちがよく口にする言葉に“自分が信じてやってきたことをやりきるだけ”というものがある。私の場合は,ローコスト・セルフシステムを追求し,今後ますます強まるであろうコストプレッシャーに立ち向かうことだと考えている。

 そのうえで,開き直ることも大切ではないか。今回のオリンピックで日本が獲得したメダルは8個だが,そのうちの3個を稼いだのはスノーボーダーたちだった。どちらかと言えば“やんちゃ”なスタイルの競技で,国内での注目度も低い。そんな種目だからこそ,「国家」や「国民」のことなんかに捉われずのびのびとプレーしたことが好成績に繋がったのではないだろうか。浅田真央選手にしても,ショートプログラムでの惨敗でメダルの可能性がなくなったからこそ,あのフリーでの見事な演技ができたのではないだろうか。

 これまで成功してきたからといって,次も成功するとは限らない。前回失敗したからといって,次も失敗するとは限らない。『理解のある者が富を得るのでもなく,知識のある者たちが恵みを得るのでもない』のだ。

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