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和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.516『ワールドカップが終わって』

エンタメ・スポーツ

2014-07-14

 サッカーワールドカップ・ブラジル大会はドイツの6大会ぶり4度目の優勝で幕を閉じた。日本は一次リーグで1勝もすることなく敗退,いまではこの大会に出場していたことさえ忘れ去られつつある。日本の5大会連続出場を誇らしげに喧伝する向きもあるが,今大会ではアジア勢(日本・韓国・イラン・オーストラリア)がすべて未勝利のまま一次リーグ敗退となり,国際サッカー連盟(FIFA)では,アジア枠の削減が検討されているらしい。さもあらん。欧州や南米,アフリカの出場枠を拡大し,真に実力のあるチームが競い合う大会にするべきだとの考えは理解できる。

 GS業界にも“枠”がある。大した販売力もない特約店に元売が事後調整などするはずがない。製品をたくさん買って早く払ってくれる店を優遇するのは当たり前。限られた財源を効果的に用いるのは経済原則に照らせばまったく正しい。自分の店の卸価格が,同系列の他の店より高いことが判明したら,それがあなたの店のFIFAランキングなのだ。悔しかったら,勝ち進むしかない。きょうも,同じ元売の系列店同士が,限られた“枠”の中に生き残るため,いつ終わるともないサドンデスゲームを繰り広げている。

 ところで,ベスト8あたりまで勝ち抜いてきたチームには,必ず「エースストライカー」が存在する。とかく日本のサッカーでは,パスをまわさなかったり,無理な体勢からシュートを打ったりすると「身勝手」だとかなんとか批判されるらしいが,メッシ(アルゼンチン)やネイマール(ブラジル)の活躍を見ていると,「オレがキメるぜ,付いて来い!」とばかりに敵陣に一人で切り込んで行く。やはり狩猟民族のスポーツなのだなと思い知らされる。

 サッカーになぞらえて,チームワークの大切さを説く経営者は少なくない。しかしGSでの油外商品の販売ともなれば,エースストライカーの育成が不可欠だ。例えば,あるGSでは,高校生のアルバイトの女の子が来店する客から次々とワックス洗車の注文を獲る。ところかが彼女は運転免許がないので,車を洗車機まで移動させることができない。他の年長のスタッフが,「なんでアイツの獲った客の作業を俺たちがやらなくちゃならないんだ」と文句を言っていたら好成績は挙げられない。「作業は俺たちに任せろ。お前は店頭に出てどんどん声かけ(シュート)してくれ」─これがチームワークではないだろうか。

 それにしても,“史上最強”と謳われた今回のジャパンの惨敗には,日ごろサッカーにはまったく興味のない私も少々驚いた。主力選手たちが,やたらCMやバラエティ番組に出演しているのを見て“こんなことやっていていいのか”と冷めた目で見ていたら案の定となった。国が違っていたら“国賊”扱いされたかもしれない彼らが口々に発した言い訳は「自分たちのサッカーができなかった」─。

 このセリフ,ネット上ではネタ化しつつあり,例えば,遅刻をとがめられたら「自分たちの通勤ができなかったから」,テストで赤点取ったら「自分たちの試験勉強ができなかったから」という具合に“重宝”されているそうだ。そもそも「自分たちのサッカー」って何だ?それが出来たら勝てたのか?気楽でいいよな。我々は,赤字になったからって,「自分たちの経営が出来なかった」なんて言っても,だれも相手にしてくれないよ。とにかく,元売100㌫販社が,きょうも「自分たちの価格看板」をあげて安売りする過酷な市況の中で,押しつぶされないよう,ひたすら「自分たちの仕入れ」を行ない,「自分たちのセルフ」を推し進めるしかない?!

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