セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.517『サマーキャンペーン』

GS業界・セルフシステム

2014-07-21

 7月25日は「最高気温記念日」なんだって。1933年山形市で最高気温40.8℃を記録したことに由来しているのだが,2007年8月16日に埼玉県・熊谷市と岐阜県・多治見市で40.9℃を記録し,74年ぶりにこの記録は更新された。両都市とも,内陸部の盆地に位置しているという共通点があるが,最高気温を記録した詳細な原因はいまだに解明されていないらしい。

 ところで,両都市の現在のガソリン価格は,ガソリン価格サイト「gogo.gs」によると,熊谷市が160円台を切る熾烈な戦いを繰り広げているのに対し,多治見市では170円前後の緩やかな合戦が行なわれている。同じような猛暑に見舞われながらも,多治見市のGSは,しっかりと水分(マージン)補給をしているが,熊谷市の一部のGSには,熱中症患者のような下痢や嘔吐の症状が見られるようだ。ご自愛ください。

 今年は景気回復による購買力の向上を見込んで,例年になくGSの“サマーキャンペーン”が活発に行なわれているようだ。例えば,EMGは,今月18日から全国1千店の「エクスプレス」で,「ハローキティ」とのコラボキャンペを展開中だ。抽選チケットでアタリが出れば,その場でキティちゃんのオリジナル・バスタオルがもらえるんだって。どうせなら,「ふなっしー」の方がいいなっしー。

 エネオスはすかいらーくグループと組んでのキャンペーンを今月19日から始めている。両社を結ぶ販促ツールは「Tポイント」。8月31日までの期間中に,どちらかの店舗でTカードを利用すればポイントが2倍,両方の店舗で使えば3倍になる。これはなかなかお得である。「ガスト」でお腹を満タンにし,「エネオス」でタンクも満タン!そのうえ,エネオス100㌫子会社のGSならガソリンが一般特約店の仕入れ価格並みで給油できるからさらにお得!

 昭和シェルは“バブル時代の夢よもう一度”とばかりに開発した,フェラーリ御用達の新ハイオク「V-Power」の販売開始を記念して,2,500円以上給油したレシート2枚で応募すると,抽選で100名に「ルンバ」や「G-SHOCK」など豪華景品をプレゼントするという,オーソドックスなキャンペーンを実施中。ところで,昭和シェル系列のGSで業転ガソリンを入れているような店は,タンクの中身が100㌫「V-Power」かどうかちょっと心配だ。“驚きの性能を体感してください”って言われても…。給油のたびに品質証明書を発行してもらえると安心なんだけど。

 このほかにも,GS独自で企画した様々な増販キャンペーンが開催されている。大抵はティッシュ5箱プレゼントのような集客イベントか,洗車やオイルのような油外商品購入を促すもので,それなりに皆さん予算をかけてやっておられる。しかし,吉田拓郎の歌ではないが『祭りのあとの淋しさがいやでもやってくる』─肝心なことは,キャンペーンが終わったあとだ。再来店していただくための種はきちんとまかれているか。どれだけ新規客を上積みし,なおかつ固定化することができたか。コーティングや車検などの見込み客をどれだけ獲得できたか。

 結局,はっぴを着て,炎天下で旗を振って,興奮状態を味わっただけ,ということになれば,販促費の無駄遣いでしかない。中には,元売から,キャンペーンに参加しなければ事後調整しないぞと脅され,やむなくやっているGSもあるかもしれない。そんなことなら,いっそのこと業転ガソリンを仕入れて「独立記念」の「造反」キャンペーンでもやったらいい。

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