セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.527『ダメよ~』

GS業界・セルフシステム

2014-09-29

 『飲酒運転 ダメよ~ダメダメ』─今年の全国秋の交通安全で,熊本県警が走行中のドライバーに注意を喚起する電光掲示板のフレーズがネット上で話題になった。“いまどき森進一の「年上の女」のサビが標語か”なんて言っているあなたは失格。「ダメよ~」と言えば,「日本エレキテル連合」のネタのこと。“「日本エレキテル連合」?それって電気自動車関連の業界団体か何か?”なんて言ってるそこのオジサン,あなたもアウト。いまブレーク中の女芸人コンビのこと。彼女たち持ちネタのひとつ,「未亡人朱美ちゃんシリーズ」が大ウケし,今年の流行語大賞の有力候補となっている。

 流行っているうちに使うのが粋というもの。いまどき「倍返しだ!」とか「いまでしょ!」なんて言おうものなら,「古っ!」と嘲笑されること間違いなし。いまはとにかく「ダメよ~」が旬である。例えば,元売の担当者から,やりたくもない販促キャンペを「いいじゃないの~」としつこく勧められたら,「ダメよ~,ダメダメ」を繰り返そう。セルフGSで,給油してくれだの,窓を拭いてくれだのと要求してくるうっとおしい客に出くわしたときも,「ダメよ~,ダメダメ」で切り抜けよう。一方,お客のほうも,しつこく油外商品を勧めてくるGS従業員につかまってしまったら,「ダメよ~」を使って撃退してみては。

 石油元売のみなさんも,系列店が業転玉を仕入れようとしたら,躊躇することなく「ダメよ~」を連呼してもらいたい。もっとも,そう言われた系列店側は,その場で商社やタンク筋に電話をかけ,「あ~もしもし,ワタシ,○□マークのGSを経営している者なんですがね,おたくから業転玉を引こうとしたらマーク取っ払うって言われたんですわ。うちの元売りときたら,仕入れは高い,業転は買わせない,おまけに自社の子会社にはうちの卸値よりも安い価格で販売させる始末なもんで,ええ。それでですね,ワタシ○□マークをやめてピービー(PB)になろうと思うんですわ,はい」─。

 まあ,おもしろおかしく書いてはいるが,実際のところ,毎月のように前年同月の販売量を下まわっている厳しい状況にあって,多くのGS経営者はこのまま元売の植民地となるのか,独立国家としての道を歩むのかという岐路に立たされている。あるいは,少子化と高齢化が同時に進んでいる中でいつまでもフルサービスの運営にこだわるべきか否か,利益率が低下の一途をたどるカーケア商品の販売に引き続き経営資源を投入すべきか否か─多くのGS経営者は,まだこうしたことを決断できないでいる。いつまでも問題を先送りしていては「ダメよ~ダメダメ」。

 それにしても,9月の販売実績も酷かった。消費税増税以降,全国的にGSの減販傾向に歯止めがかからない。一年後には,消費税率が10㌫になる予定だが,日エ連,じゃなく,全石連など業界団体は,さらなる増税は「ダメよ~ダメダメ」とばかりに,11月13日に東京で増税反対の総決起大会を開催するそうだ。円安による原油価格の高どまりや夏場の需要期に天候不順が続いたことなどもマイナス要因として挙げられるが,消費税率が上がったことが一番こたえているというのが大方の見方のようだ。

 アベノミクス“第三の矢”である「成長戦略」が功を奏し,消費増税しても景気は上昇する,というのが当初のふれこみだったが,GS業界においては全然実感がない。この先,消費者の財布のヒモはますます固く絞められ,経営環境は厳しさを増してゆくのではないか。もう「ダメよ~」ではなく「ムリよ~ムリムリ」とか「イヤよ~イヤイヤ」と言いたくなる。

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