セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.53『24時間営業』

GS業界・セルフシステム

2005-03-28

 先日、セルフ化への改造を検討している名古屋市内のスタンドを訪ねた。経営者の方と打ち合わせをする中で、“なぜセルフ化するのか”と問うたところ、経営者は「24時間営業をするため」ときっぱり。販売数量を伸ばすためには、営業時間を延ばすことが必要だが、現在の従業員数でそれを実現するにはセルフ化するのが最良の策との結論に達したというのだ。つまり、この経営者は“はじめに24時間営業ありき”で、その手段としてセルフを選択したというわけだ。この考え方は正しいと思う。セルフは明確な経営目標を達成するための手段に過ぎず、とにかくセルフにすればガソリンがたくさん売れるだろう、という浅はかな考えでセルフ化に取り組もうとしている経営者には、いますぐ計画を中止することをお勧めする。

 それはさておき、最近、深夜にガソリンスタンドに強盗が押し入り、従業員を脅しつけて現金を奪うという事件がちょくちょく報道されるようになった。24時間営業も命がけである。私はかねがね、従業員と客が接触しないアイランド精算方式を推奨してきた。その上で、精算機はお金を入れたり出したりする機能を持たせず、プリペイドカードのみで給油する方式でなければ、従業員に一人で店番をさせることは危険だと訴えてきた。少なくとも、深夜営業時間帯だけでもそうすべきである。もし、あなたが夜中の2時ごろ、黒い帽子に黒いマフラーで顔を隠した男に、インターホンで、「すみません、お札が詰まったみたいなんですけど…」なんて呼び出されたら、外に出てゆく勇気ありますか?

 私の店も24時間営業をしているが、深夜に来る客の中にはホント変な奴らがいる。プリカ販売機が置いてある部屋に入ってくるなり、監視カメラがあるのも知らずに、熱烈なラブシーンを演じるカップルがいるかと思えば、床に座り込んでコンビニ弁当を食べ始める学生がいたりする。券売機の横に観葉樹の鉢植えが置いてあるのだが、そこに小便をしようとするオヤジもいた。お前らおれの店を何だと思っとるんだ!

 以前、その部屋の壁に、浜崎あゆみのポスターを額に入れて飾ってあったこともあるのだが、ある日、男が疾風はやてのように現われて、盗み去っていってしまった。券売機を担いで運び去ろうとする二人組が現われたこともあった。「コラーツ」と隣の部屋から大声で叫んだら、あわてて逃げて行ったが、おそらく無人スタンドだと思ったのだろう。そのときの一部始終を録画したビデオテープは、いまも記念に保存してある。

 いずれにせよ、笑い話のような話で済んでいるのも、プリカシステムによるセルフ方式を頑かたくなに固守してきたからだと信じている。日常化、凶悪化の一途をたどる犯罪に対処しつつ、ローコストで24時間営業を安全に実現するためにはこれしかないと確信している。セルフ8年目を迎えるにあたっての私の所信である。

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