セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.532『圧力』

GS業界・セルフシステム

2014-11-03

 『JAF(日本自動車連盟)が今年9月に会員を対象として実施したアンケート結果によると,36%の人が自分の車の指定空気圧を知らず,推奨されている毎月1回の空気圧チェックを行っている人は,14%に満たないことが分かった。JAFの年間ロードサービス救援件数は全体では減少しているものの,「タイヤのパンク」による救援は増加している。その要因のひとつとして,セルフスタンドが増加したことにより,専門知識を持ったGS店員にタイヤ空気圧をチェックしてもらう機会が減ったことが考えられるという。JAFでは,ホームページでセルフスタンドにも設置されている空気補充機の使用方法を紹介するなど,ドライバーに対して定期的なタイヤチェックを行うよう呼び掛けている』─10月21日付「産経ウェブニュース」。

 私の店でも,毎日,幾人かのお客様が空気補充機を使用して行かれる。無論,セルフで。時々,“使い方を教えてほしい”と呼ばれることもあるが,一度説明すれば,年配の人でも簡単に補充できる。GS業界では,数年前から,酸素に比べてゴムの透過率(漏れやすさ)が3分の1になる窒素ガスを充填することで,このサービスを有料にして商品化しようという動きがあったが,あまり広がりを見せず,大半ののGSがいまだに無料で行なっている。機器代に加えて,コンプレッサーを動かす電気代や,ホースやノズルなどの消耗品代なども考えれば,洗車場の掃除機同様,5分間で100円程度の料金を頂いてもいいとは思うのだが。

 一方,“タダほど怖いものはない”という話もある。国民生活センターのホームページには次のような相談事例が掲載されていた。

 質問:GSで給油をしたところ,「タイヤの空気圧が少ないようだ」と言われチェックしてもらいました。すると,「タイヤの交換が必要,このまま走ると危ない」と交換を勧められました。車のことはよくわからず不安だったので,勧められるがまま交換してしまったのですが,本当にその必要があったのかどうか不明です。

 回答:GSで給油した際に,「オイルやタイヤ,バッテリー交換等をしないと危険」と言われてその場で契約してしまったというトラブルが寄せられています。後日,自動車ディーラーに確認してもらったところ,その必要はなかったというケースもあるようです。交換や修理を勧められてもその必要があるのかどうかわからない場合は,その場で即断せず,自動車販売店や整備会社等に相談しましょう。(下線は筆者)

 …ったく,こんなことだから,GS業界の信頼が貶められてしまうのだ。もちろんごく一部のGSでのこととは思うが,ガソリンを安売りしておきながら,「ユガイ,ユガイ」と厳しいノルマを掛けるものだから,このような悪質商法が跡を絶たないのではないか。一方,お客は,自動車の整備について基礎的な知識ぐらいは持っているべきだ。それが自動車を所有し,運転する人の責務でもある。そのうえで,「空気圧が少ない」と“声かけ”されたら,「自分でやるから空気補充機を貸してくれ」と言うべきだ。

 私の店では,お客様自身がパンクを発見した場合は,店の隅で自分でスペアタイヤに交換してもらうか,それができない場合は,JAFなどを呼んでもらうようにしている。料金をもらって交換してあげればいいじゃないかという意見もあるだろうが,正直言って面倒くさい。ウチは,SSはSSでも,「セルフスタンド」であって,「サービスステーション」ではございません。お車の調子が心配だという方は「ドクター」に相談するか,「ドック」で検診するかなさってください。

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