セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.543『朝活』

オピニオン

2015-01-26

 学生の就職活動を「就活」と呼ぶようになったのはいつごろからだったか。その頃あたりから,「○活」という言葉をよく耳にするようになった。「婚活」や「妊活」に励んでいる人がいるかと思えば,「離活」や「終活」を考え始めている人もいる。人は,何がしかの“活動”をしているわけだから,ことさら「○活」などと呼ぶ必要もないと思うが,中には,仕事や学業などの活動をやめるための活動─「休活」というのもあるそうな。ようわからん…。

 そんな“活ブーム”のひとつに「朝活」がある。文字通り,朝に活動することなのだが,これまた昔から「早起きは三文の徳」と言われているとおり,新しいことでも何でもないのだしかし,何かと忙しくストレスの多い現代人にとって,一日をいつからどのように始めるかは,その後の人生を左右するほどの影響があるのだそうだ。

 最もポピュラーな朝活といえば,早朝のウォーキングやジョギングだろう。24時間営業の「セルフスタンド日進東」の前を,まだ暗いうちからタッタカタッタカと横切ってゆく人たちは少なくない。交差点の角に位置しているため,信号待ちのあいだスタンドの敷地の隅でストレッチを始める人もいる。ただし,12年連続で交通事故死亡者数ワースト1の愛知県で,明け方に歩道のない道路を歩いたり走ったりするのは少々危険かも。

 朝活の基本は,自分自身のスキルアップ!ということで,早朝の時間を活用して勉強や研究をするなら,脳が活性化され,驚くほど学習効果が上がるとされている。私も,せめて毎週このコラムを書く月曜日ぐらいは早起きしてみようかなとも思うが,生まれてこのかた,朝に頭が冴えるという経験をしたことがない。パソコンの前で,ぼーっとしているうちに,「二度寝」という心地よい朝活を行なうことになるだろう。

 米国経済誌「フォーブス」によれば,『成功者たちが朝8時までに行なっている』事柄の一つとして,メンタル面のエクササイズを挙げている。朝の時間を使えば,静かに自分の内面と向き合って,瞑想やイメージトレーニングを実践できるので,特に『自分が成功したところを詳細に想像する』よう提案している。『たった1分間,ポジティブなイメージを思い描くだけで,気分が向上し,その日の仕事に対する見通しを良くする効果がある』とのことだ。わからなくはないが,GS業界のような,何年経っても朝が来ないばかりか,ますます闇が深くなっているように思える業界にいると,単なる妄想にしかならない。成功した自分を思い描きたければ,やっぱり二度寝して夢想するしかなさそうだ。

 多くの人にとって,朝活はその日の仕事の下準備に充てられる時間となるようだ。「朝活手帳」なんてものも販売されていて,結構売れているらしい。いわゆる“ToDoリスト”を作成し,始業と同時にバリバリこなしてゆくというものだが,その際のポイントは,いやな仕事を真っ先に片付けることなのだそうだ。例えば,上司へ提出する報告書作り。早朝なら頭が冴えているから,ナイスな言い訳を思いつけるのかもしれない。

 しかし,あるマーケティングアナリストは,「何でも朝活すれば称賛を得られると勘違いしている人がいる」と指摘している。朝活は何となく他の人より一歩抜け出したような満足感を与えてくれるが,その分,夜は他人より早く寝ているのだから,睡眠時間を短縮しない限り大きな生産性の違いを生むとは限らないのだと─。私のような夜型・寝坊助にとって思わず拍手したくなるようなコメントである。どのみち,24時間営業のGSの経営者になれば,朝も夜もなく365日“臨戦態勢”だ。眠りたくても眠れない夜もある。一にも二にも健康でなければ務まらない。そして,健康に欠かせないものの一つは,眠れる時にしっかり眠ること,つまり「眠活」です。では,おやすみなさい…。

コラム一覧へ戻る

ページトップへ