セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.553『売れませんな…』

GS業界・セルフシステム

2015-04-06

 『昨年4月の消費税率引き上げ後,個人の59.8%が支出を抑制─。日銀が2日発表した3月の「生活意識に関するアンケート調査」で,こんな結果が出た。財布のひもを締めた人に,増税がいつまで支出に影響を与えたかを尋ねたところ,「現在でもなお支出を控えている」との答えが75.3%に上った』─4月2日付「時事通信」。

 消費増税から1年が経過したが,生活防衛意識は相変わらず高い。来年の4月からはさらに2㌫上がることを見据えて,今後もこのまま推移することだろう。つまり,GS業界もまだまだ厳しい状況が続くということ。先月に限って言えば,前年は増税直前の駆け込み給油があったため,その数字との対比となると,あまりにも無残な結果である。

 では,今月からはどうかと言えば,セルフスタンド日進東店に関して言えば,一年前からの落ち込みから抜け出せないままである。みなさんのお店はどんな具合だろうか。先日,久しぶりに会った愛知県内のGS経営者の方は,「アカンは…もうやめたいけれど,やめるにやめられん」とこぼしておられた。

 日進市に限れば,先月半ばから,元売販社の価格値下げがハンパない。例えば,4月4日現在,私の店から3㌔弱離れた場所にある元売のCA(コミッションエージェント)店が,会員価格120円を掲出している。思わず外税表示なのかと二度見してしまったが,本体価格は111.1円。業転ガソリンでも運賃込みで110円台がやっとなので,追随したらウチのマージンは…え~っと,111引く110だから…アホらしい,付き合ってられません!

 CA店は,人件費等の運営費を元売から受け取り,販売量が一定基準を超えれば1㍑あたり数円のリベートが得られる。販売価格は元売が決めるのだから,CA店の店主は“経営者”ではなく“運営者”と呼ぶのが相応しい。このあいだまで市況維持を叫んでいた人が,CAになった途端に,コミッションを増やしたいので“もっと売り値を下げさせてくれ”と元売に要求することもあるのだとか。

 それにしても,一般特約店向けの卸価格よりもはるかに安い価格(しかも内税)で販売する元売販社の姿を見ると,あまりにも売れないのでヒステリックになって安売りしているように思える。しかし,高等教育を積んだ元売の人々が,そんな低能な行動に走るとは考えにくいので,「もしかしてだけど~♪」儲かり過ぎちゃったんで節税のために赤字販売しているんじゃないの?JXの今期決算見通しが2,100億円の赤字,出光は1,220億円の赤字になるとの記事を読んだ気がするけれど,あれって何かの間違いでしょ? エイプリルフール?そんな赤字になる会社が,直営店に安売りさせた挙句,営々と築き上げてきた特約店制度を自ら破壊するようなことをするはずがないもの。

 …と,ウィットのかけらもない皮肉を書き綴ったのも,やはり売れていないのでイライラしているから。(八つ当たりしてすみません) 恐らく今週の早い段階で,GS業界恒例の「市況是正運動」が行なわれ,いきなり10円近い値上げがなされることだろう。そして,これまた「ダチョウ倶楽部」のお約束芸のように,次の日から「下げんなよ,下げんなよ」と言いつつ値下げビンタの応酬を始めるというわけ。そして,賢い消費者たちは,その“オチ”を見越して千円分か10㍑給油で価格が下がるのをじっとうかがっている。で,さらに下がる。「そういうことだろッ?!」じゃん !

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