セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.56『済んだら帰って』 

GS業界・セルフシステム

2005-04-18

 時々、家内の代わりに五歳の息子を幼稚園に送ってゆくことがある。一昨年の9月に出来たばかりの幼稚園で、駐車場が少し離れた所に数台分しか確保されていない。そのため幼稚園の前の路上には、子どもを送ってきた親たちの車が何台も停まっている。私は、いつも子どもを幼稚園の門の前で降ろすとさっさと帰ってしまうのだが、他のお母さんたちは幼稚園の中でひとしきりおしゃべりの花を咲かせているらしい。隣りや向かいの民家や商店から文句が出ないのかなと思っていたら、やはり出たようだ。今月から、“ドライブスルー方式”となり、門の前に先生たちが出て子どもを迎え入れ、親はすぐにそこから立ち去るように取り決められてしまった。そら見ろ、おしゃべりなんかしてないでとっとと帰れば良いものを─。

 セルフスタンドの客も、同様に給油が済んだら早く出て行ってもらいたいものだ。わたしのスタンドには、洗車場もなければ、窓拭き用のタオルさえ置いてないので、客は給油が終われば、ほかにすることもなくさっさと帰ってゆく。その時間は、大体1分30秒から2分ほどだ。時々早朝にやってくる一人の客は、計量機に横付けするや否や、ものすごいスピードで5㍑ほど給油して去ってゆく。その速さたるやまるでF1のピットイン並みなのだ。後日、その客に事情を聞く機会があったのだが、いつも会社へ行くのに足るだけの燃料を大急ぎで入れて行くのだという。「急いでいる時にはセルフが一番。特にお宅の店はプリカ方式だから操作が簡単なので良い」とのことだった。

 一方、給油が終わったあとも、携帯電話で長話をしている客や、偶然出くわした知り合いとおしゃべりを始める客がいたりする。しばらくは様子を見ているが、他の客の迷惑になりそうだと判断したら屋外放送で注意するようにしている。大抵はその前に、他の客のクラクションに促されて追い出されているが…。

 また、夜間は学生たちの溜まり場にならないよう目を光らせていなければならない。以前、暴走族のガキ共が4~5人集まって、エンジンをブォンブォンをふかしはじめた。従業員のYが屋外放送で、「みなさ~ん、近所迷惑になりますからやめてくださ~い」とお願いしたが、カメラの方を睨みつけながら中指をおっ立てたので、「コラァァァ!テメェらいますぐ警察呼ぶからそこで待っとけよ!」とどやしつけるとあわてて逃げていった。おかげで女性客からは、お宅は夜遅くに給油に行っても安心だとのお言葉を頂いている。

 ローコスト・セルフにおいては、効率よく客を回転させ滞留時間を短縮させることによって、狭い敷地面積でも採算販売量が確保できるようにしなければならない。給油レーンにいつまでも居座ってもらっては困るのだ。そのためにも、給油方式や精算方式は操作が簡単で、スピーディにできるものとし、アイランド周りには余計な物を置かないようにすべきである。「給油のみセルフ」と笑わば笑え。生憎こちとら暇な客人の長話や無料サービスを許すほどの余裕は無いのだ。

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