セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.566『殺人事件』

オピニオン

2015-07-13

 私が名古屋の自宅から日進市のGSまで通う途中,毎日のように通る道路の歩道で,65歳の男性の刺殺体が発見され,閑静な住宅街は大騒ぎになっている。昨日(12日)の午後8時半ごろ,路上で血を流して倒れている人がいるとの119番通報があり,男性は病院に運ばれたが死亡が確認された。男性は殺害現場から50㍍ほど離れた場所に住む,町内の自治会長を務める人物で,当日,公民館での会合に出席したあと何者かに刃物のようなもので頭や背中を刺され殺害されたと見られている。

 毎日,日本のどこかで殺人事件は起こっているのだが,自分の生活圏内で生じると,やはり緊張感に襲われる。いまのところ犯人は捕まっていないが,現場は,歩行者こそ少ないが,車の往来はそこそこある場所なので,何人もの目撃者がいるのではないかと思われる。現場は子どもたちの通学路にもなっており,しばらくは,近隣住民は厳戒態勢の中での生活を余儀なくされそうだ。一日も早い事件の解決を願うばかりだ。

 私の店は,事件現場から6㌔以上も離れた場所だが,やはり用心するに越したことはない。もともと客との接触を極力避けるように指示しているが,なお一層の警戒心を持って勤務するよう注意を喚起した。“お客様を警戒せよとは何事か”とお叱りを受けるかもしれないが,私たちの暮らす社会は,私たちが考えている以上に危険であることを意識していなければならないと思う。見知らぬ客に呼び出されて無防備で出て行き襲われたとあっては,あまりにも愚かしい。

 GSのセルフ化は,運営コストを抑えることが第一の目的であるが,同時に,従業員が安全に店舗を運営するためのシステムでもある。もちろん,壮年の男性スタッフが3~4名常駐し,営業時間も8~20時ぐらいでやって行けるGSであれば,大金を投じてセルフ化する必要もなかろう。しかし,そんなGSは稀である。治安と同様,経営環境も悪化している。エンドレスで続く価格競争の中で,人件費を一定にとどめつつ,長時間営業を安全に行なうためには,セルフ化する以外に道はないと考える。ガソリンが1㍑30円ぐらい儲かる世の中が来たら,考えを変えるけれど…。

 それにしても,“行ってきます”といって出かけた家族が,突如帰らぬ人となるとは,何と恐ろしいことであろうか。しかも今回の事件は,自宅からわずか50㍍ほどの場所で起きた。ご遺族の衝撃は如何ばかりであろう。殺人事件であろうが,交通事故であろうが,自然災害であろうが,人の命が一瞬にして奪われる世の中で私たちは生活している。そう考えると,とにもかくにも一日を無事平安に過ごせることがいかに奇跡的なことかとさえ思えてくる。実際,あすの命はだれも保障されていないのだ。そう考えれば,ガソリンが売れないだの,資金繰りが大変だのと悩んでいても,生きてさえいればそのうちいい日も来るだろうと思えてくる。(なかなか来ないが) 一方,たとえ全世界をかち得ても,死んでしまえばすべて無となってしまう。なんと空しいことであろう。

 そんなわけで,きょうも何とか生き延びることができた。あすも,家族や従業員に災いが降りかからないことを願いつつ,床に就く。読者の皆さんにも平安がとどまりますように…。

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