セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.57『初心者ドライバー』 

GS業界・セルフシステム

2005-04-25

 春の訪れと共に、若葉マークをつけた初心者ドライバーをあちこちで見かける。周囲に幾つもの大学がある、我がセルフスタンド日進東にも、“新入生&初心者”とおぼしき若者が恐る恐るやってくる。それもそのはず、彼らは運転も“初心者”ならば、給油も“初心者”なのである。少し前の事だが、計量機の前に停車させたまでは良いが、給油口が反対側に。そこでぐるりと回って、計量機の反対側へ停車すると、給油口はまた反対側に。縦ニ列に並んだアイランドの間を、まるで“メビウスの輪”のようにぐるぐる回っている初心者君を、げらげら笑いながらモニターで観察していた。

 このあいだ来店した若葉マークの女の子は、中型車で来店し千円プリカで給油したのだが、エンジンをかけて発進しようとしてから、また降りてきてインターホンでスタッフを呼び出した。

 「あの~、お宅の店ちょっとおかしくないですか?」

 「え、どうしてですか?」

 「だって、わたし千円分全部入れたのに、メーターがちょこっとしか上がらないんですよ。ホントに千円分出ているんですか?」

 スタッフは、千円分というのが燃料タンク全体でどの程度の割合なのかをていねいに説明してやったそうだが、どうやら原付のメーターと同じ感覚で見ていたようだ。「エー、そんなに入るんですかぁ~」と驚いていたそうな。

 別の女性客は、初心者ドライバーではなかったが、給油キャップを緩めた途端、春の陽気で気化したガソリンの漏れる“プシュ~”という音を聞いてパニくってしまい、「大丈夫でしょうか?」と尋ねてきた。心配ないと説明すると、「わたし自分で給油するのは初めてだったものですから、ホントにコワかったわ!」─。

 まあ、この程度のことなら笑い話で済むものの、「この車は軽自動車だから軽油を入れるんですか?」なんて尋ねてくる客や、タバコをくわえながら給油をしようとする客に出くわすと、自動車燃料について正しい知識を身に着けておくことの必要性を感じずにはいられない。セルフ時代を迎えたいま、自動車学校のカリキュラムの中で、少なくとも給油の仕方と、各種燃料の違いぐらいは教えておいてほしいと思う。

 セルフスタンドの忘れ物ナンバー1は給油口キャップだが、自動車メーカーがちょっとその気になれば、キャップの要らない給油口など簡単にできるはずだ。また、誤給油防止のために、例えば、ガソリン車の給油口の形は丸、軽油車は三角というように規格化し、計量機のノズルの形状もそれに合わせるよう自動車メーカーと計量機メーカーが協同することはできないものだろうか。

 我々が「まさか」と思うような勘違いをするのが客である。免許を取り立てのドライバーであればなおさらである。初心者ドライバーが安心してセルフスタンドで給油できるよう、一層の環境整備を進めるべきだと思う。

コラム一覧へ戻る

ページトップへ