セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.586『ストレス対処法』

オピニオン

2015-11-30

 従業員が自身のメンタル不調を把握し,職場環境の改善につなげる「ストレスチェック」制度が12月から始まる。メンタル不調により従業員が休・退職したり,自殺したりする例が増えていることから,労働安全衛生法が改正され,従業員50人以上の事業所に年1回の実施が義務づけられた。この制度では,「仕事」についての質問と,最近一ヶ月の「状態」についての質問に回答し,さらに上司や同僚からのサポートがあるかについても尋ねられたうえで,ストレスの状態が数値化され判定されるというもの。私は従業員ではないけれど,厚生労働省が例として示している23問の簡略化されたストレステストが体験できるサイトがあったので,試しにやってみた。(http://www.armg.jp/mhlw/check/)

 まず,(A)仕事内容について。『非常にたくさんの仕事をしなければならない』『時間内に仕事が処理しきれない』などは,いずれも『ちがう』にチェックを入れる。セルフスタンドの経営者なんて仕事に追われるなんてことはあまりない。給油や窓拭き,代金の授受などの煩雑な仕事がしたくないからセルフ化したわけで,その意味においては『一生懸命働かなければならない』の項目も『ややちがう』。

 そんな商売だから,(B)最近一ヶ月の状態について,『ひどく疲れた』『へとへとだ』『だるい』などの身体的な事項は『ほとんどなかった』と答えることができる。これまで大きな病気を患ったことがないのも幸いだと思う。しかし,『不安だ』『ゆううつだ』『気分が晴れない』といった項目は『ほとんどいつも』または『しばしばあった』。

 最後に(C)上司または同僚について,『気軽に話ができるか』『困ったとき頼りになるか』『個人的な問題が相談できるか』をすべて『まったくない』としてみた。経営者って孤独なんだよね。特に俺,友だちが少ないから…。さて,集計ボタンをクリックしたら,『高ストレス状態』と診断されてしまった。そりゃあそうだ。まあ,昨今,ガソリンスタンドの経営者で,何の不安も感じず,晴れ晴れとした気分で毎日を過ごしている人は,ほとんどいらっしゃらないだろう。むしろ,ストレスで心身に不調をきたし,休養したり,入院を余儀なくされるGS経営者もおられると聞く。

 ストレスにさらされると,体内では非常事態に対応するシステムが作動する。ホルモンが分泌されて,呼吸が速くなり,心拍数が増え,血圧が上がる。また,蓄えられていた血球やブドウ糖がどっと血液中に放出される。こうした一連の反応により,体はストレス因子に対処しようとするのだ。それは,回転速度が上がったままのエンジンに似ている。そんな状態が,何日も,何ヶ月も続けば,だれだって壊れてしまう。

 ただし,ストレスは何でも有害というわけではない。アメリカ心理学会はこう述べている。「人がストレスによって受ける影響は,バイオリンが弦の張り具合によって受ける影響と似ている。弦が緩すぎると,音が鈍くなり,かすれた感じになるが,張りすぎると,音が鋭くなり,弦が切れてしまう。ストレスは命取りにもなれば良い刺激にもなる。要は,ストレスにどう対処するかである」─。

 では,どうすればストレスに対処できるのか。人によって気質も環境も異なるわけだから,一概には言えないが,まずは十分に睡眠をとることだ。カナダ睡眠障害センターの専門医は「1日に20分を昼寝に充てることができれば,体のためになります。そうすれば必ず生産性は上がり,ストレス・レベルも低く押さえることができます」と語っている。もう一つの効果的な方法は笑うこと。人が笑う時,体内にエンドルフィンという物質が産生され,これがアドレナリンを抑える働きをする。スタンフォード大学の博士によれば「ユーモアは,ありとあらゆるストレスに面した時の対処法として普遍的なもの」なのだそうだ。ストレスの多いGS業界。組合や元売の勉強会に,アナリストや大学教授を招くより,お笑い芸人でも呼んだほうがいいかも。

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