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和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.618『ポケモン,ゲットだぜ!?』

オピニオン

2016-07-26

 7月22日の夜9時ごろ,いつものように日進市のスタンドに電話を入れた。

 「もしもし,ご苦労様。変わったことはありませんか?」「“ポケモン探し”で店の中まで入ってくる人が何人かいたので注意しました」─あ,そうか,きょうから日本でも「ポケモンGO」が始まったんだ…。

 米国で,そして世界中で社会現象を引き起こしている「ポケモンGO」。よもや知らない方はおられますまい。名古屋には鶴舞公園という大きな公園があるのだが,そこに古くからある噴水を上空から俯瞰すると,「モンスターボール」にそっくりだと話題になり,いまや“ポケモンの聖地”となっているらしい。「ポケモンGO」リリース後の最初の週末は,深夜まで大勢の「ポケモントレーナー」たちが公園内を徘徊し,案の定,翌朝には,吸殻,ペットボトル,空き缶などのゴミが公園のいたるところに散乱していたとのことだ。

 岐阜県美濃市では,24日の夜,東海北陸自動車道上り線で,「人が高速道路を歩いている」との通報があり,県警高速隊が駆け付けたところ,「ポケモンGO」で遊んでいるうちに入り込んだという24歳の男性が路肩を歩いていたという。まったくもう…。

 今後も,ポケモンを探しに出かけたまま行方不明になったり,駅のホームや用水路に落っこちて人生をゲームオーバさせる人が続出するのではないかと心配だ。それでも,ポケモンを探している当事者が災難に遭う限りは自己責任である。だが,徘徊する連中に突き飛ばされたり,ながら運転の車やバイクにはねられたんでは,たまったもんじゃない。路上にレアなポケモンがいるのを見つけた奴が,我を忘れて急に車の前に飛び出してきたら…想像するだけで腹が立ってくる。そういうポケモン,じゃなかったバカモンが大量発生しないように厳しく取り締まってほしい。

 一方で,何年も引きこもりだった娘がポケモン欲しさに外出し,汗だくになって帰ってきた,なんていう事例もあるらしい。孫のポケモン探しに同伴して,心も体もリフレッシュできたというお年寄りの言葉も報じられている。街でポケモンに出会うと同時に,新たな友だちとの出会いも生じるかもしれない。これまでゲームといえば,人間関係や社会との関わりを希薄化させるものと見られていたが,「ポケモンGO」の登場によって,むしろ人々は集まりあうようになり,限定的ながらも親密な関係を形作ってゆくようにも思える。

 しかし,やはり前述のとおり,人々のマナーやモラルが低下しているいまの世にあっては,自分の店や家のそばにポケモンが“生息”しているのは迷惑なことだ。平穏な生活が壊されたり,営業活動が妨げられたりすることも多々あろう。個人的には“ポケモン除け”の電波を発信できるような端末装置があればいいのにと思う。

 逆に,ポケモンがうじゃうじゃいる環境にして,町おこしをしようなどという企てもある。また,レアなポケモンが自分の店によく出るようにして,客寄せにしたいと考えている人もいることだろう。ちなみに,米国では「リザード」,「バクフーン」,「バシャーモ」といった,「炎タイプポケモン」は,ガソリンスタンドでよく見つかったらしい。おいおい,なんでGSに「炎タイプ」なんだよ!危ねぇだろ。むしろ,「ゼニガメ」や「ポッチャマ」のような「水タイプポケモン」を生息させてもらわなきゃ困る。静電気防止にもなるし…って,俺 何を言ってるんだろう。

 ちなみに,ポケモンは家の中にもいる。私の息子は,リビングで「フシギダネ」を捕まえた。こんなことを書くと,ある日見知らぬ人が訪ねてきて,「お宅にいるポケモン,ゲットさせてください」なんてことがあるかも。やれやれ…こんな馬鹿騒ぎ,早く収まってもらいたいものだ。

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