セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.647『コスモよもやま話』

GS業界・セルフシステム

2017-02-27

 コスモ石油に関する話題をふたつ。まず,キグナス石油と業務提携することになった件。6月末までにコスモがキグナス株の2割を取得し,2020年をめどに,『コスモは国内に3ヶ所ある製油所から,全国約500ヶ所のキグナスの給油所にガソリンや軽油などを供給する。キグナスの15年度の燃料油販売量は約400万キロ㍑で,両社の販売シェアは計約14%となる。コスモの桐山浩副社長は21日の記者会見で「業界再編の大きなうねりの中で提携の門戸をひらいてきた。今回は第三極をめざすための提携だ」と述べた』(2月21日付「日本経済新聞」)。

 報道によれば,東燃からの供給協定が2020年に切れるキグナスからコスモにこの話を持ちかけたらしい。東燃は4月にJXと一緒になるので,これまでのように安く供給される条件はなくなると危機感を抱いての行動だという。一方,業界再編から置いてきぼりにされ,単独での供給力削減が限界に近づいていたコスモにとっては,キグナスからの申し出は,販路拡大というありがたい話であり“渡りに船”だったいうところではないだろうか。ただ,“第三極”なんて言うと聞こえはいいけれど,どれほどの存在感を示せるだろうか。自動車業界におけるホンダのようなバリューを,いまのところコスモには見いだせない。

 元売がお互いの都合や思惑でくっつくたびに,それぞれの系列店は生き残りをかけたグループ内競争に否応なく巻き込まれてゆく。これまでに,多くのGSが“合理化”の名のもとに淘汰されていった。経産省は,今回の一連の統合を契機に,事後調整の慣行をやめさせようとしているようだが,むしろ“調整”の度合いが強まるのではないかと心配する声もある。江戸時代の土佐藩のように,山内家は「上士」,長宗我部家は「下士」といった具合に,その“出自”で差別されはしないかというわけだ。その争いの中で割を食ったGSが相当数PBになるだろうと予測する業界人もいる。その時,あぶれる業転玉をさばく商社こそが“第三極”の役割を担うだろうと。果たしてどうなりますことやら…。

 もう一つのコスモがらみの話題は,CMで「免許を取ったらコスモのマイカーリース!」と,はじける笑顔を振りまいて世の男性をキュンキュンさせていた清水富美加が,突如,芸能界引退宣言をしてしまったこと。しかも,引退の理由が新興宗教への“出家”ということだったので,世間はドン引きしてしまった。“出家”と聞くと,日本人の多くが「オウム真理教」の一連の事件をイメージするが,宗教活動に専念するために世俗の仕事をやめること自体,それはその人の生き方なのであって,悪いことではない。あの稲盛和夫氏も,1997年に京セラ会長を退き,仏門の道に入った時期があった。

 しかし,その後,所属事務所の待遇があまりに酷いため意趣返しとして契約期間中に辞めたのだとか,人気ロックバンドのメンバーと不倫交際していたことが原因だったとか,もうどうでもいいような話が次々に報じられ,連日,金正男と共に世間を騒がせている。コスモは昨年度から,彼女をイメージキャラクターに起用したのだが,そんな彼女に,「ココロも満タンに~♪」と歌われても,苦笑するしかない。一応,きょう現在(2月27日),コスモ石油や関連会社のホームページには,まだユニフォーム姿で微笑む富美加ちゃんが載っているが,恐らくあとしばらくすると削除されてしまうのだろう。販促グッズは“お宝”になるかも。

 いまではほとんど見られなくなったが,石油元売が十数社もあった時代には,各社共にイメージキャラクター(大抵は女性)がいて,系列GSでポスターやのぼり,テレカやうちわなどの販促ツールとなって店頭を賑わせていた。ご本人が,各支店のキックオフパーティで表彰式のプレゼンターをしたり,GSを激励訪問したり,という時代もあった。石油業界ではCMガールは絶滅しつつあるが,1969年に小川ローザの「Oh!モーレツ」旋風を巻き起こした丸善石油のDNAを残すコスモは,いまだCMガールにこだわる唯一の会社だ。“そんなことに経費使うぐらいなら仕入れ安くしてくれよ~”などという系列店の声などに耳を貸すことなく,キグナスとの新たな出発を祝う意味でも,ここはひとつ奮発して,みんながビックリするような大物を起用してほしいものだ。

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