セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.70『熱中症にご用心』

GS業界・セルフシステム

2005-08-01

 連日猛暑が続いているが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。確実に温暖化が進行しているこの地球において、いまや炎天下で仕事や運動をするのは、命の危険を伴なう行為ではないかとさえ思うきょうこの頃である。事実、全国で熱中症による事故が頻発している。

 熱中症とは、専門的には、「暑熱環境下にさらされる、あるいは運動などによって体の中でたくさんの熱を作るような条件下にあった者が発症し、体温を維持するために生じた失調状態から、全身の臓器の機能不全に至るまでの、連続的な病態」と定義されている。具体的には、めまい、頭痛、失神、吐き気、嘔吐などのいくつかの症状が重なり合って起き、放置すると多臓器不全を引き起こし、死亡に至る危険性もある。

 フルサービスのガソリンスタンドで忙しく動き回るスタッフのみなさんも、熱中症には十分気をつけていただきたい。何せ、屋根こそあれど、カンカンに熱した自動車が並び、そこから吐き出される排気ガスがたちこめるフィールド上は、体感温度を少なくとも2~3度は高めているのではないだろうか。そんな過酷な環境で、“キビキビ、ニコニコ、ハキハキ”を励行するのは並大抵のことではない。水やスポーツドリンクなどでこまめに水分を補給し、体調が優れないときは休息を取ることを心がけ、安全に仕事を行なっていただきたい。

 一方、セルフサービスのガソリンスタンドで鼻歌交じりにお仕事をしているみなさんにも、健康を脅かす別の危険がある。クーラー病である。クーラー病とは、長時間クーラーのかかった部屋にいたり、クーラーのきいた部屋と暑い室外を往復することで自律神経のバランスが崩れ、血液の流れやホルモンバランスの異常をきたす病気である。さすがに、クーラー病で死ぬことはないものの、倦怠感、食欲不振、頭痛、腹痛、神経痛、生理不順など、およそ労働意欲を損なうありとあらゆる症状に悩まされる。外との温度差は5度以内とし、温かい飲み物や料理で体を温めるなどして、血行を良くし、発汗を促すことが進められている。

 とにかく、屋外に出て働いても、中に引きこもっていても、体調を壊してしまう厄介な季節なのだが、ガソリンスタンド業界自体も、この夏は体調不良に陥っているようだ。原油価格の高騰を受けて、毎月のようにガソリン価格は値上がりし、それに伴ない販売量が前年割れとなっているスタンドが多いと聞く。経営者にとっては、まさに頭痛のタネである。分母となる来店客数の減少は、当然カーケア収益にも跳ね返ってくるわけで、現場には倦怠感、脱力感が蔓延してくる。

 そんな状況の中で、フル、セルフのいずれにおいても、コストのかかるスタンドは、体温維持(収益の確保)のために血行(夏のボーナス)の流れや、ホルモン(夏の長期休暇)のバランスに異常をきたしてしまう恐れがある。さらに、経営面で下痢(赤字)や嘔吐(預金取崩し)や生理不順(資金繰りの悪化)といった諸症状が現われるスタンドも少なからず出てくるだろう。

 熱中症は、重症化すると、意識障害、おかしな言行動、ショック症状などが兆候として現われるのだそうだ。毎月、仕切り上昇分を転嫁させるのに精一杯のはずのこの業界の中にも、二重、三重の価格設定で原価スレスレの販売を行なったり、テッシュや洗剤を景品でばら撒いたりといった“おかしな行動”が観察される。自分の店が儲かっているのかいないのかわからないという“意識障害”や、目先の利益を求めるあまり、車検や洗車の割引券乱発といった“ショック症状”を起こしている現場責任者もあちこちで見られる。ビートたけしのテレビ番組ではないが、「このまま放っておくと、大変なことになりますよ…」。

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