セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.76『防犯』

GS業界・セルフシステム

2005-09-19

 今月1日の午前3時10分ごろ、愛知県小牧市のエネオス系セルフスタンドで、屋外精算機6台の料金箱の鍵穴すべてがドリルのようなもので壊され、売上金計365万4000円がなくなっているのを、アルバイトの男性店員が発見、警察に通報した。警察の調べでは、男性店員がスタンド敷地内にあるコンビニ兼事務所内で店番中、小銭切れのアラームが作動したため給油機を確認に行って盗難に気付いたとのことで、最後の客が同日午前2時42分に給油した際には異常はなかったという。

 しかし、24時間営業のスタンドで、6台の精算機すべてを壊され、中の売上金をそっくり盗まれている間、まったく気づかなかったなんて…。いっそのこと、犬にでも店番させておいたほうがマシじゃないだろうか。それに、客足もまばらな真夜中に、365万円もの大金を屋外精算機に入れっぱなしにしておくなんて、およそ防犯意識が皆無と言わざるを得ない。この事件は、愛知県ではテレビでも報道されたから、今後、これを真似た犯罪が続発する恐れがある。なぜなら、セルフのガソリンスタンドには屋外に大金の入った“金庫”が置かれており、従業員は少人数のうえ、あまりしっかりと店番してはいないということを、犯罪者どもに告知してやったようなものだからである。

 私は、かねがね、屋外精算方式の危険性について訴えてきた。一万円札を投入し百円分だけ給油するようなケチな客のために、一台二百万円以上もするフルスペック精算機を据え、手数料まで払って両替した紙幣や硬貨をそこに詰め込み、屋外に24時間置いておくなんて、どう考えたってハイリスク、ハイコストな事ではないか。そして、これも以前から主張していることだが、店内の券売機でプリカを購入し、屋外の読取機に投入して給油するというシステムが、現在考え得る最も投資コストや運営コストが軽くて済む上、安全性が高いと言える。セルフが量販から採算へとシフトしつつある中で、犯罪による被害コストも出来る限り軽微なものに抑える努力が必要だ。

 ガソリンスタンドで盗まれるのは現金ばかりではないことを、つい先ごろ、身をもって経験した。10日の深夜4時ごろ、私のスタンドに、荷台に二人の男を載せた軽トラックがやって来た。その二人組は、荷台から飛び降りると、店頭に並んでいた消火器を運び去ろうとしたのである。店番をしていたYが「コラー!」と一喝すると、賊はあわてて逃げ去っていったが、中型消火器を一本持って行かれてしまった。被害額約二万五千円也。痛ッ!

 その後、警察を呼び、写真撮影や指紋採取などを一通りしてもらったのだが、Yによれば、賊は3~4人の若い男たちだったという。一体、なぜ消火器なんか盗もうとしたのだろうか。それで思い出したのが、今月の7日朝、神奈川県藤沢市の路上で、ワゴン車に乗った少年たちが、登校途中の中学生の列に消火剤を吹きかけた事件である。約70人が被害に遭い、そのうち6人は目やのどの痛みを訴えて病院に搬送された。少年たちは「消火器遊びをしようと思っていたら、登校中の生徒がいたのでまいた」と供述しているそうだが、こういう事件に影響されたバカが、うちの消火器を盗んで同じようないたずらをやらかそうとしたのかもしれない。消防署は消火器をフィールドに並べて(飾って)おけと言うけれど、こんな事件がこれからも起きるかと思うと、ちゃんとしまっておいたほうが実際的ではないかと思う。

 いずれにせよ、世間にはドロボーがウロウロしていて、コンビニやガソリンスタンドを襲おうと狙っている。私の店も狙われているだろうし、あなたの店も狙われているかもしれない。いや、狙われていると認識しておいたほうが良い。大事なことは、奴等に「このスタンドは襲っても割に合わない」と思わせることである。そのための秘訣の一つは、金も物も人も外に置きっぱなしにしないことだ。

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