セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.880『目ヂカラ』

社会・国際

2022-01-17

 1月21日は『瞳の黄金比率の日』なのだそうだ。なんじゃそりゃ? なんでも,白目と黒目の比率が「1:2:1」の瞳が黄金比率ということで,魅力的な瞳について考える機会にしてほしいと,2011に制定されたとのこと。日本人の瞳の一般的な比率は「1:1.5:1」だそうで,黒目が約10㌫大きく見えると,黄金比率に近づくらしい。何のことはない,これはカラーコンタクトレンズを普及させようとする業界の宣伝・啓蒙活動なのだ。ジョンソン・エンド・ジョンソン社が行なった市場調査によると,カラコンを使い始めた理由やきっかけとして,「異性に好感を持たれたかったから」が半数を超えており,30-34歳女性の6割近くが,カラコンを使い始めたのは“男ウケ”のためと答えている。まあ,上げ底ブラと同じ発想ですね。

 とはいえ“目は口ほどにモノを言う”。目つきが悪かったり,眠そうな目をしていたり,ふて腐れたような目をしているとそれだけ印象が悪くなる。目の印象を柔らかくするためのトレーニングがあるそうで, (1) 目を開けた状態から目の下を上げたり下げたりする。(2) 目を大きく見開いて5秒キープ。(3) 眉を上下から挟んでマッサージ。これを毎日繰り返すことで,目の印象が柔らかくなり,親しみやすい印象を与えることができるのだそうだ。

 とりわけ,いまはこれまでになく“目ヂカラ”が大切な時代だ。マスク生活が長引き,いまや一日の大半を顔の下半分を隠して過ごしている人も少なくない。息苦しいし,メガネは曇るし,ああ早くマスクなしで「ワッハッハ」と笑いたいものだ,と思っていたのだが,最近は若者を中心に素顔を見られることに抵抗を感じる人が増えているという。特に女性に多いようで,「マスク姿だと2割増しで美人に見える。外して幻滅されたくない」とか,「デートで食事をすると,口元を見られるのが恥ずかしくて,味を楽しめない」とか,「ノーマスクだと下着なしで外出しているようで落ち着かない」などなど。いまやマスクは「顔パンツ」化しているというのだ。

 民間調査会社によると,4千人のうち7割が条件付きで,「コロナ禍が落ち着いても着用する」と答え,今後,顔を覆って自己防衛し,コンプレックスや自信のなさをカバーする,「自主的マスク生活」が定着すると分析している。しかし,顔の表情が半分隠れてしまうと,視覚の情報量が半減してしまう。声もくぐもり,微妙なニュアンスが聞き取れなくなる。これはコミュニケーションを図る上で,大きな障害となる。幼い子供は,親の表情が読み取れないと不安が増してしまう。幼少期に笑顔に触れる機会が極端に少ないと,ネグレクトを受けた人と同じ状態になる危険性があるという。また,高齢者,特に耳が遠くなった人は,周りの人の言葉が聞き取りにくくなり,結果,会話が減り,認知症のリスクを高めてしまう恐れがあるそうだ。

 カラコンで理想的な瞳を手に入れたとしても,それだけで良好なコミュニケーションをとることはできない。例えば,「ありがとう」,「すみません」といった言葉も,笑顔で発せられた場合と怒った顔で発せられた場合では,全く違う意味にとらえられる。やはり,顔の筋肉全体を使った豊かな表情と共に挨拶や会話をすることが大切なのだ。

 とはいえ,第6波に突入してしまったいま,マスクをはずしての会話はやはり慎むべき。「ウィズマスク」時代の会話は,ゆっくりはっきり話すよう心がけると共に,身振り・手振りを多く取り入れて話すことも効果的ながら。また,日本人は総じて不得手とされているが,相手の目を見て話し,積極的にアイコンタクトを取ることも大切だ。セルフスタンドでは,お客様と会話をする機会はほとんどないが,まれに呼び出された時は,気持ちをこめ,相手の目を見ながら会話をするよう心がけたいと思う。

 ところで1月21日は『ライバルの日』でもある。1866年のその日,長州の木戸孝允と薩摩の西郷隆盛らが京都で会見し薩長同盟を結んだことにちなんでのこと。だからどうしろというのかねこの日に。(笑) まあ,恩讐を越えて,お互いの利益のために手を結ぶためには,やはり,顔と顔,目と目を合わせて話し合うことが不可欠だということ。顔はマスクをしていても,心のマスクははずして─。(ちょっと無理のあるまとめ方)

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