セルフ給油システム・周辺機器　販売・施工
和田商事株式会社

　連日,テレビは北京オリンピック。東京オリンピックの時より盛り上がっている気もする。個人的にはウィンタースポーツ全般に興味がないのでだれがメダルを取っても“あ,そう”という感じだが,スキージャンプ競技に,スーツの規定があることを,今回,高梨沙羅選手の失格騒動で知った。ふ～ん,そんな規定があったんだ。それなら競技を始める前にチェックすればいいじゃん。あるいは,いっそのこと何でもありにして,スーツに翼が付いていてもＯＫみたいにすれば面白いのにね。

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　水泳では高速水着｢レーザー・レーサー｣が,マラソンでは厚底シューズが好記録を生み出すのに貢献した。科学技術の進歩が,人類をより速く,より強く,より高い世界へと誘う。道具のみならず,肉体そのものを改造しようと,クスリの力を借りることもいとわない。今回も,よりにもよって組織的ドーピングで制裁を受けているロシアの選手にドーピング疑惑が生じている。懲りないというか,悪どいというか…。まあ,カネまみれ,クスリまみれになっているうえ,国家主義・民族主義を煽るこの“大運動会”は,一度ご破算にして,アスリートファーストの新たなカタチに作り変えたほうがいいと思う。

　正直オリンピックはどうでもいいのだ。先週 私が一番興奮したのは,ＭＬＢで今季から遂にナショナル・リーグにもＤＨ(Designated Hitter)制を導入することになったというニュース。1973年からアメリカン・リーグに導入されて以降,ナ・リーグへの導入は幾度も検討されてきたそうだが,このタイミングでの導入は,やはりあの偉大なアスリートの存在があってのことだろう。無論,ショウヘイ・オオタニのことである。

　大谷は｢ホームランを打ちまくるピッチャー｣なのか,｢三振を取りまくるバッター｣なのか。これまでの野球の概念を覆す,見たこともないプレーヤーが現れたのだ。昨年のオールスターゲームで,大谷はア・リーグの1番ＤＨとして打席に立った後,特別ルールで先発マウンドに立った。88年の歴史を誇るＭＬＢオールスターゲームに,｢特別ルール｣を導入させとだけでもすごいのに,今回はナ・リーグのシステムをも変えさせてしまった。これでナ・リーグのチームも大谷が活躍できる環境を整えたことになる。近い将来,ドジャースあたりが10年5億㌦ぐらいで大谷を獲得するかも…。

　どんな競技でも,いままでのルールやシステムでは収まりきらないパフォーマンスをする“怪物”のようなアスリートが現れる可能がある。その時,伝統や慣例にこだわり,その逸材を葬ってしまうことなど許されるはずがない。かつては,人種や肌の色ゆえに出場が許されなかった競技がたくさんあった。話は少々飛躍するが,ＧＳ業界でもＰＢスタンドはそのような扱いを受けてきた。まだ｢無印スタンド｣と蔑称で呼ばれた頃,先輩経営者たちは業界の理不尽なルールに悩まされてきた。いまでも10日に一度の製品分析を求められるなどして“スーツのサイズ”を執拗にチェックされている。

　だが,ＰＢスタンドが開拓した｢現金客｣という顧客層は,主力市場へと成長し,｢ノンサービス｣という手法はセルフへと発展していった。ひと昔前はご法度だった価格看板も,いまや出していないＧＳのほうが珍しくなった。ＧＳ業界で,かつてはルール違反とされていたことが,いまでは常識となっている。事後調整という“筋肉増強剤”も,ほぼ駆逐された。トレンドが変わればルールも変えざるを得ない。その結果,プレーヤーは最盛期の半分にまで減ったが─。

　ＤＨ制に話を戻せばが,日本でも1975年から指名打者制がパ・リーグに導入された。その後の日本シリーズは,パ・チームが46回中28回優勝と,セを圧倒するようになった。いまや,パが1部リーグ,セが2部リーグと言われるほどだから,セ・リーグへのＤＨ導入も時間の問題だろう。ただ,投手がバッターボックスに立つことによって生まれたドラマもある。

　例えば,1968年9月17日の阪神と巨人の一戦で,江夏 豊は王 貞治から日本タイ記録となるシーズン353個目の三振を奪う。ところが,これを新記録と思っていた江夏は,記録更新となる次の三振も王から取るべく,続く8人の打者すべてを凡打に打ち取ろうと試みる。一番の難関は9番打者の投手・高橋一三。2ストライクから祈る気持ちで真ん中に緩い球を投じ二ゴロに打ち取った。そして,王を三たび迎えた7回,江夏は剛速球で見事新記録を王から奪取した。恐るべき投球術。しかも,この試合は延長12回までもつれ,江夏自身がサヨナラヒットを打って決着をつけたのだ。江夏は1973年8月30日の対中日戦で史上初の延長戦ノーヒットノーランを達成したが,この試合も11回裏に江夏自らがサヨナラホームランを放った。凄過ぎる！ＤＨ制になると,こういうドラマが観られなくなると思うと少し寂しい。