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和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.902『UFOの日』

社会・国際

2022-06-20

 米国アイダホ州で消火器のセールスマンをしていたケネス・アーノルドは,1947年6月24日,ワシントン州のカスケード山脈付近を自家用飛行機で飛行していた。この付近に墜落した海兵隊の輸送機を見つけると,報奨金5000㌦が出ることになっていたからだ。午後3時ごろ,彼はレーニア山の上空約2900㍍を,南南東の方角に向かって9個の物体が数珠つなぎになって飛んでいるのを目撃する。アーノルドは最初,その物体をジェット機かと思ったが,尾翼は見当たらず,エンジン音も聞こえないまま,三日月のような形をしたその物体はアーノルドによれば「水面をはねる皿のような飛び方をしていた」という。地元アメリカのマスコミはその物体を「空飛ぶ円盤(flying saucer)」だとして大々的に報道し,その後同様の目撃談が相次いで報告されるに及んで,FBI長官 エドガー・フーヴァーはUFOの目撃例を調査するプロジェクトを発足させた。

 この事件を記念して6月24日は「UFOの日」とされている。だから何なんだという話だが,毎年世界各地でUFOにまつわる様々なイベントが開催され,大いに盛り上がるのだそうだ。私自身は,UFOはオカルトの類と考えており,否定派である。多くのUFO目撃は自然界に生じる事象あるいは誤認として科学的に説明できるうえ,精神的または心理的な体験や知覚が関係したものも多いのだそうだ。そもそも,人類はいま地球上で起きている諸問題に対処するだけで精一杯。地球外生命体の存在の検証なんかに時間や資力を割く余裕なんかない。いや待て。いっそのこと宇宙人が地球を侵略してくれれば,やれ領土だ,民族だ,宗教だといがみ合っていた諸国家が,有史以来初めて怨恨を捨てて一致結束するかもしれない。

 話は飛躍するが,日清食品のロングセラー商品「日清焼きそばUFO」は,創業者・安藤百福の次男で現社長の宏基氏の発案によるものだそうだ。「焼きそばは皿で食べるもの」という日本人の習性を大切にしたいとして容器は丸い形になったが,商品名がなかなか決まらない。会議中,安藤氏がフタをふとフリスビーのように投げてみたところ,飛んでいる様子が空飛ぶ円盤に似ていたことから,「U(うまいソース)」,「F(太い麺)」,「O(大きいキャベツ)」の意味を込めて命名した。

 日清食品は4年前の「UFOの日」に,同社サイト上で「全国統一UFO対策模試」なるものを実施した。UFOに遭遇した際の対処法を,15の設問に回答することによって学べるというもので,内容はUFO研究家の監修による,いたって大真面目なものだそうだ。例えば,『UFOからの光線を浴びてしまった時,とるべき行動はどれか?』(1)服を脱ぐ (2)湿布をする (3)マッサージする (4)水を飲む。さて正解は…。 

 一方,職場には“気をつけなければいけないUFO”がある。よく朝のスピーチなどで用いられるそうで,まず「U」は「うっかり」のU。GS業界でもよくあることだ。今月9日,米カリフォルニアのGSマネージャーはガソリン価格を「1ガロン6㌦99㌣」と設定すべきところ誤って「0.699」つまり69,9㌣と打ち込んでしまい,誤入力に気づくまでの数時間に1万6千ドル(約215万円)の損失を出したため解雇されてしまったという。日本のGSでも,このところ単価設定が頻繁に行われている。うっかりミスにご用心。

 「F」は「不安」のF。どう対処してよいかわからない状況での作業は,往々にして事故に繋がる。GS,とりわけセルフGSでの作業はほぼすべてルール化できる。前述のようなミスも,ダブルチェックがなされていれば防ぎ得た事象だ。スタッフの不安を取り除くには,経営者がしっかりとしたルールを策定すべきだ。しかし,それでもトラブルが発生する。それは「O」,つまり現場スタッフが「横着」するからだ。

 結局,職場での事故とは,ヒューマンエラーだということ。地球上で起きている諸問題─戦争,飢きん,疫病,災害,貧困なども“ヒューマンエラー”の所産といえる。ハーバード大学教授で物理学者のアヴィ・ローブ博士は,地球外生命体が地球に来ない理由は人類の知性に理由があると述べた。「私は遥かに賢い生物たちがすでに存在していると考えていますが,もし星間飛行の旅行代理店があるとしたら,地球はおすすめしないと思います。彼らにとって地球はそこまで魅力的ではなく,人類はさまざまな理由で協力的ではありません。本当に残念なことですが」─。 

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