セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.915『コーヒータイム』

GS業界・セルフシステム

2022-09-19

 『ファミリーマートは16日,店内で入れたてコーヒーなどを提供する「ファミマカフェ」の一部商品を27日から最大30円値上げすると発表した。ホットコーヒーとアイスコーヒーのSサイズを100円から110円に上げる。セブン-イレブンとローソンも,既に値上げしている』─9月16日付「共同通信」。

 セブンが7月に先陣を切り,他の2社もこれに追随,一時代を画した“100円コーヒー”はコンビニ大手3社の店頭から姿を消すこととなった。理由は他の商品同様,原材料費と輸送・資材コストの値上がりだ。「100円」というのは,安さの象徴のような価格だったが,コーヒーに限らず100円商品は今後急速に減ってゆくと観られている。まあ,100円が110円になったって十分安いと思うけど…。

 私はコーヒーの味の違いなどあまり気にしないのだが,100円コーヒーでも各社違いがあるらしい。セブン-イレブンは「甘みがありスッキリとした飲み心地」,ファミリーマートは「丸みのあるバランスのとれた味わい」,ローソンは「苦味が強く深煎り好きにお勧め」なんだそうだ。う~ん,わからん。「甘い」とか「丸い」なんて言われてもね。たかだか100円のコーヒーにそれほど手間がかかっているとも思えんのだが…。

 外食総研調べによるコロナ前と現在のコーヒーを飲む頻度比較では4人に1人以上が「増えた」と回答。また,コーヒーを飲む場所では「自宅」と答えた人が大幅に増えた。全日本コーヒー協会が2年に1回実施している統計では,1人が1週間の間に「家庭」で飲んだコーヒーの量は,コロナ前の2018年の6.54杯と比べて,2020年は7.55杯と1杯分増加し,統計開始以来最多を記録したという。

 それだけではない。自宅でコーヒーを飲むケースが増える中で,挽き豆を購入して入れるなど本格派が増加しているという。私の知り合いにも,コーヒーに“目覚めた”人がいて,珈琲豆を挽いている時が“至福の時間”なんだそうだ。(笑) コーヒー業界は新たなブーム到来ということで,珈琲豆のネット販売を充実させたり,コーヒーミール,コーヒードリップといった器具の販売にも力を入れ始めている。さらには,自宅でコーヒーを入れているうちに,雇用への不安がこみ上げてきたのか,コーヒー関連の仕事を起業しようとバリスタ講座に参加する人が増えているんだとか。「一杯の コーヒーから 夢の花咲くこともある~♪」(作詞:藤浦洸 作詞:服部良一『一杯のコーヒーから』)

 コロナ禍と宇露戦争によってコーヒーの価格のみならず,その飲み方や楽しみ方,果ては人生観までもが変化しようとしている中,相も変わらずカフェ業態にこだわっている業界もある。GS業界だ。例えば,全国に約1000店舗を展開しているドトールコーヒーのうち80店舗程がエネオス系列店の敷地内で営業しているとのこと。これが1~2年のあいだの出来事なら,まあまあ成果が上がっているのかなと感じるが,このコラボ,始まりはいまから20年前。20年かけて80店舗って,ちと少なくないか?

 このコラムで再三書いてきたことだが,ガソリンスタンドという所は,くつろいだり,憩い合ったりする場所じゃない。確かに“洗車や整備の待ち時間をカフェで過ごす”というコンセプトは間違いとは言わないが,いまやそれらは無料で提供されるものだ。自動車ディーラーへ行けば,タダのコーヒーを恭しくテーブルまで運んでくれる。しかもお代わり自由。

 今後,EV増加と共に“充電中にコーヒー”というだれもが思いつきそうなコンセプトで,カフェ併設が進められるだろうが,いままでのようにスタンドの脇にカフェが置かれているようなスタイルではなく,カフェ主体にすべきだと2年ぐらい前にも書いた。米国では今年3月,ボルボとスターバックスが,コロラド州デンバーからワシントン州シアトルまでの約2,100㌔の道のりにあるスターバックス15店舗に,60台のEV充電器を約1.6㌔ごとに設置するというネットワーク計画を発表し,年内の完成を目指している。あくまでスタバ利用客をメインに置き,それに付随する形でEV拠点を線で結ぶ─。発想も規模もスケールでかいな~と感心した。コーヒー何杯ぐらい飲むとこういうことを考えつくのかなぁ…。

コラム一覧へ戻る

ページトップへ