セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.931『今年も「withコロナ」』

社会・国際

2023-01-09

 『厚生労働省は6日,新型コロナウイルスに感染して死亡した人が456人確認されたと発表した。1日当たりの死者数で過去最多を更新した。新規感染者数は全国で24万5542人で,昨夏の第7波のピーク(26万1004人)に迫りつつあり,国内の累計感染者数は3000万人を超えた』─1月6日付「毎日新聞」。

 3年ぶりの“行動制限のない年末年始”で全国の観光地は大層賑わったようなので,当然こうなりますわな。7日からの3連休が明けたら,さらに増加しているだろう。でも,もう慣れちゃったというか,多くの人々はこの事態を冷静に受け止めているように思える。日本における「コロナ死」は,直接死と関連死(陽性と確認された後,もとからあった基礎疾患で亡くなった人)に加えて,老衰や病気で亡くなった直後の検査で陽性だった人の数も含まれているという。

 一方,パンデミックの真っ只中にある中国は,直接死とされる人数しか公表しないとしており,WHO(世界保健機関)は,「(死者の)定義が低すぎる」として,コロナを過小評価していると警告している。実際のところ,「コロナ死」の定義は各国まちまちのようで,コロナウイルスによって死んだ人の“正味”の数は正確にはわからないらしい。とはいえ,日本ではオミクロン株の感染者に占める死亡者の割合(致死率)は,昨年の暫定値で0.13㌫程度で,デルタ株が流行した2020~21年の4.25㌫を大きく下回っていることもあり,もはや“コロナ,恐れるに足らず”というムードだったが,今回の報道で冷や水を浴びせられたかたちだ。

 致死率が高いか低いかはともかく,いまだ人類はコロナ禍から抜け出せずにいることだけは確かだ。米国で新たな派生型「XBB.1.5」の感染が急拡大している。CDC(米疾病対策センター)の推計によると,感染者に占める割合はこの1か月で4㌫から28㌫に上昇したという。WHOによると,「XBB.1.5」は,現存するオミクロン変異株で最も感染力が強く,免疫回避能力が高いと言われている。いまのところ,風邪程度の症状だということだが…。

 今年もコロナの顔色を伺いながら生活してゆくことになりそうだ。ところで,パンデミックが消費活動にもたらした最大の変化は“巣篭り需要”だったのだが,「withコロナ」が浸透してゆく中で,需要が急速に縮んでいるようだ。通販業界のガリバー「AMAZON」は,昨年1~9月までに30億㌦(約4200億円)の赤字を出し,今月4日に1万8千人超の人員削減を発表した。同社は,パンデミックが始まった2020年から従業員数を2倍に増やし,発送センターや仕分けセンター,宅配ステーションなどの物流ネットワークも2年でほぼ2倍に拡大した。もはやオンラインで物を買う消費スタイルが後戻りすることはないだろうとの見立てははずれ,人々は再び街へ出て買い物し始めたというわけだ。結局人間の生態ががらりと変わるなんてあり得ないということなんだろう。そんな中,日本のGS業界ではこんな動きが─。

 『エネオスと三菱商事は,全国の給油所を配送拠点として活用するための共同出資会社をつくると発表した。配送事業者から荷物を受け取って一時保管し,別の事業者が配達先まで届けるなどの仕組みを検討する。スタンドで荷物を中継すれば,大型倉庫から直接配送するよりも走行距離が短くなり,ドライバーの負担軽減などにつながるという。首都圏にあるエネオス系列の給油所100カ所で実証実験を始め,26年3月期に給油所500~1千カ所への拡大を目指す。石油元売り業界としては初の取り組みで,国内の燃料油市場が縮小する中,給油所活用の幅を広げて収益を確保する』─1月5日付「日本経済新聞」。

 エネオスはかつて新日本石油時代の2000年に,ソフトバンクと合弁で,ネット注文した自動車部・用品を最寄の系列店で受け取るという,似たようなサービスを立ち上げたことがある。「地上最大のカーグッズショップ」(ソフトバンク 孫正義社長・当時)となるはずだったが,わずか2年で閉鎖に追い込まれた。GSスタッフが片手間で,商品をきちんと保管し,仕分けするのは無理だと思う。専従スタッフをつければ,人件費が…。それに,前述のAMAZONのリストラの動きと比べると,周回遅れの感がある。いっそのこと,給油所のキャノピを利用して,宅配ドローンを離発着させるような,ぶっ飛んだサービスを始めてみてはどうだろうか。

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