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和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.998『2番最強』

エンタメ・スポーツ

2024-04-29

 ドジャース1年目の大谷翔平は,水原通訳の横領というスキャンダルに見舞われながら,28日現在 打率.347(リーグ8位),本塁打7本(トップと3本差),打点18(同13点差)と,三冠王を狙える好位置岡山保っている。まったくもってアンビリーバブル。先日,松井秀喜が持つ日本人選手の最多本塁打記録を更新したと報じられ,日本のメディアは例によって大騒ぎしていたが,いい加減そういう狭い了見で大谷選手を評価するのはやめてもらいたい。

 MLBの選手は750人(故障者リストを除く)だが,そのうちの約3割は中南米やアジアからの選手が占めている。アメリカ人選手と言ってもカージナルスのL・ヌートバーは母親が日本人,ダイヤモンドバックスのC・キャロルは母親が台湾人だが,それがどうしたって言うんだい? 彼らは皆「メジャーリーガー」という同じ人種であり,その頂点に立っている選手がたまたま日本で生まれ育ったというだけのことなのだ。

 そんな些末な話はさておき,多くの日本人が大谷選手の打順に違和感を抱いているという。つまり,最強打者でありながらなぜ4番を打たせないのか,と。なぜ「2番」なのか,と。

 米国では2007年頃に,2番は3番より約70打席多く回るというデータが注目され,最も得点力の高い選手を2番に置くことが理にかなっているという意見が出始めた。その先鞭をつけたのがエンゼルスのM・トラウト。2013年に2番に座ると,MLB史上初めて1シーズンでの25本塁打,30盗塁.100四球を記録し,その後3度のMVPに輝くスーパースターへと成長していった。現在,MLBの2番打者を何人か挙げると,ヤンキースではあのA・ジャッジを押しのけて若き天才打者J・ソトが君臨している。昨年のワールドチャンピオン レンジャースは唯一両リーグでワールドシリーズMVPに輝いた「優勝請負人」C・シーガーが,メジャー最強の打線を擁するブレーブスでは一昨年の新人王マイケル・ハリス2世が務めている。

 近年MLBで強打者の指標としているのは,出塁率と長打率を足したOPSという数値。高いほど得点への貢献度は高く,打率や打点よりも重要視されている。平均は7割ほどで,トップレベルの強打者は9割を超えている。昨シーズンの両リーグトップは1.066の大谷選手だった。そして,昨年は2番打者のOPSが.785となり,打順別では初めてトップとなった。いまや2番に最も優れた打者を据えるのがセオリーとなっている。

 NPBでも,13日に高い出塁率ながら本塁打・打点ゼロだったスワローズ・村上宗隆をプロ初の2番に起用した途端,覚醒した。そのまま2番に置いておけばいいものを,また定位置に戻したこともたたって,現在スワローズは,チームOPSがリーグトップにもかかわらず最下位に沈んでいる。

 日本では,相変らず2番打者は1番打者が出塁した場面で,バントやエンドランなどでチャンスを広げる“小技の利く”選手を置いているが,MLB同様,OPSを重視し,得点の確率が高い打線を組んだほうがいいんじゃないだろうか。例えば,タイガースであれば森下翔太。OPSはリーグ3位の.865(26日現在)。近本光司と組んだ1・2番は破壊力抜群だと思うのだが。

 NPBにおいて4番打者にこだわる,最も守旧的な球団は我がジャイアンツだ。何せ『第〇〇代4番打者』なんて伝承をいまだに引きずっているのだから。いつまで「ON時代」の呪縛に捉われているんだよ,と言いたい。メジャー流で打線を組めば,2番は当然 岡本和真。問題は彼のポテンシャルを最大限に生かす1番と3番を誰にするかだが,出塁率が岡本に次いでチーム2位のオコエ瑠偉を1番,同じく長打率2位の萩尾匡也を3番に…う~ん,弱いな~。早く秋広優人が復活してくるか,左の大砲を補強しないと4年ぶりのリーグ優勝は厳しい。

 日本は今もつなぐ野球が主流で,送りバントを重視する傾向にある。また,減点主義が横行しているため,ノーアウト1塁で送らずに得点できないと批判されることなども,「2番最強」をためらわせている原因と言われている。もし本当にそんなくだらないことにこだわっているのであれば,この先も「野球」は「ベースボール」の後塵を拝し続けるだろう。GS業界も,いつまでも「量」にこだわり続けていないで,新たな指標を編み出して効率よく販売する道を見出さなければならないと思う。もう手遅れかもしれないが。

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