セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.810『with コロナ』

社会・国際

2020-09-14

 先月,ジャパンネット銀行は,日本で初めて新型コロナウイルス感染者が確認された今年1月下旬から6月下旬までの150日間の出来事を振り返る「コロナ禍前後の日常生活と価値観の変化に関する調査」を1,000人を対象に実施した。それによると,26㌫の人が,「日々の生活におけるターニングポイント」を「3月下旬」と答えている。この時期の「志村けんの死去」と「東京五輪延期」が,多くの日本人を震撼させたようだ。翌月には緊急事態宣言が発令され,事態は急速に緊迫していった。もう随分前の事のように思える。

 緊急事態宣言は1ヶ月ほどで解除となったが,私たちのライフスタイルは大きく変化した。いわゆる「巣ごもり生活」が続いているのだが,今回の調査で,「巣ごもり生活を続けたいと思うか」との問いに対し,「続けたい」と「続けたくない」が半々の結果となった。元々インドア派の私は,「続けても良い」ぐらいの感覚でいたが,「続けたい」という人が50㌫もいるのは少々意外だった。外出できないストレスがある一方で,テレワークやオンライン通話の普及による移動時間の短縮などのメリットを実感している人が結構いるのだろう。
 

 それに伴い,コロナ禍前後で増えた出費と減った出費について尋ねたところ(複数回答),最も増えたと感じる出費は「光熱費」で38㌫,2位は「食費」で20㌫となった。相対的に最も減ったのは「交際費」。何と76㌫もの人がそう答えている。2位の「娯楽費」が70㌫。飲食業や観光業にとっては,もはや“ハルマゲドン”(新約聖書「ヨハネの黙示録」で預言されている世界の終末を指す言葉)が到来したかの如き状況だ。GS業界とて同じこと。3位は「交通費(ガソリン代を含む)」で68㌫と大差ない。withコロナ時代は,GS業界の落日を速めることになりそうだ。
 

 だからと言って手を拱いているわけにもいかない。インターネットサービスの「BIGLOBE」が行なった「withコロナ時代のストレスに関する調査」によると,「withコロナ時代においてどのような旅行なら問題ないと思うか」との問いに対し,「自家用車での旅」が38.2㌫で1位だった。with コロナ時代においては,自動車は単なる移動・運搬手段ではなく,“シェルター”の役割を果たすのかもしれない。であるならば,GSはなくてはならない存在であり,これ以上減らすわけにはいかない。24時間365日営業することで,with コロナ時代の新たなカーライフを支える務めがある。ガンバロー。
 

 「BIGLOBE」が行なった別の調査によると,「4月以降のキャッシュレス利用頻度」を質問したところ,約3割の人が「増えた」と回答した。理由としては「ポイント還元」が78.6㌫と圧倒的だが,「現金に触りたくない」と答えた人がが31.4㌫もいる。with コロナ時代は,キャッシュレス事業に思いがけない“追い風”を吹かせたと言える。コロナ禍に見舞われる何年も前に欧州15か国で実施された調査では,「紙幣はたくさんの細菌で汚染されている」と答えた人は83㌫にも上った。また,大手クレジットカード会社のマスターカードによる調査では,「手に触れる物で最も不潔」なものについての質問で,「紙幣」と答えた人が60㌫にも上り,エスカレーターや図書館の本を上回った。

 とはいえ,日本ではいまだ現金決済が圧倒的で,インバウンドがほぼゼロとなった現状では,世界でもトップクラスのバカ高い手数料を加盟店から徴収するクレジットカード決済は,薄利にあえぐGS業界では有難迷惑であることも事実。しかし,時代のトレンドは「キャッシュレス」というよりも,「タッチレス」。急速にシェアを伸ばす「PayPay」などのスマホ決済に否応なく対応しなければならない。少なくとも,GSは非対面のセルフサービスにしなければ,ドライバーから敬遠されてしまうのではないか。様々な調査結果に目を凝らしながら“次の一手”を模索するきょうこの頃。

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