セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.460『コラムの書き方』

オピニオン

2013-06-03

 先日,このコラムの“ファン”だという方から,出張の途中に名古屋で下車するので,是非お会いしたいとのお電話をいただいた。PBセルフスタンドを数ヶ所経営しておられるとのことで,私もいろいろと面白い話が聞けそうだと思い,名古屋駅で待ち合わせる約束をした。

 やって来たのは60代の快活な男性Mさんで,コンコースでの挨拶もそこそこに,名古屋名物「ひつまぶし」の昼食をとりながら歓談させていただいた。席に着くなりMさん,大学ノートを広げて,「和田さんに是非ともお聞きしたいことがあるんですが」。緊張した面持ちで「はい何でしょう」と私。

 「あのコラム,どうやって書いているんですか?」

 「はぁ?」

 「いや,面白いな~と思って,毎週楽しみにしているんですよ。よくもまあ,あれだけ毎回いろいろな話題で書けるものだな,と。私,油業報知さんに電話して,第1回から全部取り寄せて読んでいます」─。

 「じぇじぇじぇ!」とは言わなかったが,驚いてしまった。こんないい加減なコラムをそこまで熱心に読んでくださる人がいるとは。何だか有難いのを通り越して,申し訳ない気持ちになってしまった。「あんなもの,新聞やテレビを見ていてテキトーに思いついたことを書いているだけですよ。ただ,文才がないものだから,毎週月曜日の朝は“あ~きょうはコラム書かなくちゃいけないんだ”と憂鬱になりますよ」─。

 そもそも,いまから9年ほど前に,油業報知新聞の記者から“おたくのセルフシステムの広告を載せませんか”と誘われた時,一回ぽっきりの広告を載せたところで大した効果はないしお金も払いたくないから,代わりにノーギャラでコラムを書くので,そこで宣伝させてくれと逆提案したのがきっかけだった。特に文書を書くのが得意だったわけではなく,百回ぐらいと思っていたのに惰性でここまできてしまった。

 それでも,9年以上も書き続けていると,何となくコツのようなものをつかんでくるものだ。とにかく,どんな話題でも,それをガソリンスタンド業界に関連付けなければならないという大前提があるので,まずその「テーマ」を据えたうえで物事を見ること。次に,「相手」,つまり読者をイメージすること。恐らく,ほとんどの方が石油・GS業界の関係者であろうから,その人たちの立場になって書くこと。とりわけ,GS経営者の目線に立つことが大切だ。しかし,一番大切なことは「主張」すること。すべての読者の共感をかち得ることなどあり得ないわけだから,気に入られようが入られまいが“こうあるべきだ”とはっきり書くことを心がける。おかげで時々抗議のお便りも頂戴するが。

 Mさんとは,食事のあとも喫茶店に場所を移してあれやこれやと意見交換させていただいた。いや~楽しかったし,勉強にもなった。あっという間に2時間が過ぎ,別れ際に「これからもコラム楽しみにしてますよ」と励まされた。う~ん,プレッシャー。

 それにしても,もとをただせばタダでセルフシステムの宣伝をしようというさもしい魂胆で書き始めたのだから,共感してくださったGS経営者には是非当社の推奨するセルフシステムの導入を検討していただきたいものである。よろしくお願いしま~す。

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