セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.475『非常識行為』

社会・国際

2013-09-16

 最近,飲食店で店員や客が,店内の冷蔵庫に入ったりするなど不適切な画像をSNSに投稿し,店舗が休業や閉店に追い込まれるという事件が多発している。GS業界でも,遂に出た。

 『JX日鉱日石エネルギーは13日,川崎市麻生区の同社系列の給油所で,来店した男性が給油に使うノズルを別の男性の尻に当てている写真を撮影し,「フェイスブック」に投稿した不適切な行為があったと発表した。悪ふざけとみられる。同社は既にこのノズルを交換し「石油製品の品質に問題はない」とのコメントを出した。同社は「法的措置も検討している」という』─9月13日付「静岡新聞」。

 まったくアホな奴らだ。ウケ狙いだとしても,全然面白くない。一方,当該GSでは,給油ノズルを交換したうえ,JXのプレスリリースで,『当該計量機から給油した石油製品に関しましては,品質上の問題はございません』と発表しているが,こっちの方が笑える。まあ,当該GSはJXの100㌫子会社なので,神経質過ぎるほどの対応をせざるを得ないのだろうが,「品質上の問題」にまで言及しているとやっぱり,ぷっと吹き出してしまう。不謹慎ですみません。

 またJXは,『法律に則した監視を実施しておりましたが,このような事態が発生し,一部のお客様にご不快な思いをおかけしましたこと,お詫び申し上げます』としているが,例えば,9月11に金沢市の「餃子の王将」で起きた事件のように,10人もの客が一斉に全裸になったりするようだと,1~2名のスタッフでそれをやめさせることなどできない。とにかく,客が馬鹿なことをやり始めたら,直ちに業務妨害行為として警察に通報するしかない。あるいは,「給油ノズルはケツに突っ込まないでください」とでも張り紙をしておくか。(笑) 不謹慎ですみません。

 今回GSで起きた事件は,客による悪ふざけだったが,飲食店が神経を尖らせているのは,「バックヤード系」,すなわち,売り場の裏側で従業員によって行われる非常識行為だ。7月に「ローソン」のアイスクリームの冷凍ケースにすっぽりと入った画像と共に,「今日暑くね?」とつぶやいた事件は,業界に衝撃を与えた。「食の安心・安全」の意識が高まる中,こうした悪ふざけが,長年かけて積み上げてきた信頼を一夜にして破壊してしまうからだ。

 従業員の悪ふざけは,程度の差こそあれ,むかしからあったことだが,いまではそれが画像や映像として,一瞬に世界中に知れ渡ることが,企業の対応をますます尖鋭化させているのだ。企業の中には,職場への携帯電話の持ち込みを禁止したり,不適切なSNS利用をしない旨誓約書を書かせたり,売り場だけでなく従業員休憩室などにも監視カメラを設置するなど,予防策に躍起になっているが,結局は,従業員ひとりひとりの道徳感覚にかかっているのだから,そう簡単ではない。

 いまのところ,GS業界ではそうした事件は起きていないが,人手不足から危険物に対する知識や認識に欠けるスタッフが,いつ,どんな馬鹿をやらかすかわからない。あるいは,系列マークを掲げるGS経営者が,無印のタンクローリーをバックに,「業転ガソリン荷降ろしなう」なんて投稿したら,見て見ぬ振りをしていた当該元売も黙ってはいないだろう。私は「いいね!」ボタンを押してしまうかもしれないが。重ね重ね不謹慎ですみません。

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