セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.459『セルフ嫌い』

GS業界・セルフシステム

2013-05-27

 毎年恒例の消防署の立ち入り検査を受けた。13年間無事故の実績ゆえか,検査は30分足らずで終了し,問題なしとのお墨付きをいただいた。そのあと,署員との雑談で,昨年末で閉鎖した地場の老舗GSの話題になった。

 「やっぱり,例のタンクの年数の問題だったんですか」

 「ええ,そう聞いています」

 「あそこはこの地域でも一,二を争う老舗でしたものね」

 「そうなんですよ。この地域では数少ない“給油してくれる”スタンドでしたから,閉店直後に,私共の方に「これから俺はどこで給油すればいいんだ」という問い合わせが何軒もありました。私共に聞かれても困るんですが,一応,近隣のフルサービスのスタンドをご案内させていただきました」

 「へぇ~,そんなことを消防署に聞いてくるんですか。もうこの界隈でフルサービスというと…○□石油さんと▽△石油さんぐらいしかないもんね…しかも,○□石油さんもタンクそろそろでしょ?」

 「そうなんですよ,あそこも古いですからね…」

 セルフ給油を拒む理由は人それぞれだろうが,私なりに考えてみると,やはりセルフでは「味気無い」と感じるのだろう。大多数のドライバーは,ガソリンスタンドに憩いやふれあいを求めてなどいないが,中には,従業員に給油してもらうことで客としてのささやかな優越感を味わい,顔見知りの従業員との会話を愉しみたいと思っている人がいるのだろう。たとえ,それがセルフより10円近く高いガソリンであっても。

 女性客の中には,自分で給油することが不安だと感じている人もいるようだ。これからの季節,キャップを開けた途端,「プシュ~」とタンク内のガスが抜けたりするが,その音で怖くなってしまう人や,こぼしてしまったらどうしようと恐る恐るノズルを握る人もいらっしゃる。満タンになったら注油停止になることなど,計量機の構造と取り扱いについて,免許を取る際に自動車学校で教えておいてもらいたい。

 「このあいだも,うちの管内のセルフGSで給油口にノズルを入れる前にレバー引いちゃって,ガソリンをこぼしたお客さんがいましてね。この人がちょっと血の気の多い人だったものだから一悶着あって…」

 「それって,消防署じゃなくて警察が出動すべきことでしょ?」

 「まあ,そうですね」

 「大変ですな~。(笑) 高齢者ドライバーなんかを対象にしたセルフ給油の講習会を消防署で開催したらどうです? やっぱり,ドライバーひとりひとりが危険物についての正しい理解を持ってもらうのが一番ですからね」

 「ああ,それいいアイディアですね」

 「でしょ?人工呼吸の講習会と違ってすぐに役立ちますから。一人五千円ぐらい取って。(笑) なんだったらうちのスタンドを講習会場にしてもらってもいいですよ。受講料を山分けということでどうです?(爆)」─。

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