セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.128『飲酒ドライバーを見逃すな!』

社会・国際

2006-10-09

 先月3日のこと、和歌山県の国道脇のガソリンスタンドに酒気帯び運転の乗用車が突っ込み、ミニバイクの給油待ちをしていた男性をはねたうえ、他の車に給油中だったアルバイト店員の女子高校生と計量機に衝突した。ミニバイクの男性は頭などを強打し死亡。高校生は右太ももを骨折したうえ、衣類に漏れたガソリンが引火し、足などにやけどを負った。

 飲酒運転が深刻な社会問題となっている昨今、遂にガソリンスタンドもその災禍に巻き込まれてしまったわけだが、こうした事故がいつ自分の店で起きないとも限らない。そもそも、客の中にも、酔っ払って来店する不届き者がいる。

 先月7日、福岡県のガソリンスタンドに来た客は、店員に給油を依頼すると、セールスルームでワンカップの焼酎を飲み始めたため、店員の通報で駆けつけた警察官に身柄を拘束された。その後の取り調べでこの男は、泥酔状態だったうえに、違反累積で免許を取り消されていたこともわかった。とんでもない奴だ。スタンドの店員の機転がなければ、このあと新たな犠牲者が出ていたかもしれない。大沢親分ではないが、「アッパレをやってくれ!」

 私の店でも、以前酔っ払った客が来店し、騒ぎを起こしたことがある。深夜に給油に来た中年の男性客が、アイランドに備え付けの洗面台を蹴飛ばしているのを見て、スタッフのYが注意した。どうやら、自分の車を洗車しようとして、洗面台の水道管を引っこ抜こう(!)としたらしい。

 「あんた何考えてるんだ!コレ、りっぱな器物損壊だぞ!」

 「お前、それが客に対する態度か?謝れ!」

 「バカヤロウ、こんなことするような奴は客じゃねぇ!お前こそ謝れ!」

 男の呼気からはほのかにアルコールのにおいが…。「アンタ、ひょっとして飲酒運転じゃないのか?いまから警察呼んでやるから待ってろよ」とのYの言葉を聞いて、助手席からあわてて細君が出てきて、「申し訳ありませんでした。どうぞ勘弁してください。こんなことが銀行に知れると大変なことに…」と平謝り。

 「…銀行って、アンタ銀行員なのか?そりゃあ大変だ。懲戒処分を食らうかもしれないな」

 「ですから、どうか警察沙汰にだけは…。ほら、お父さんも一緒に謝って!」

 男もようやく状況がわかってきたらしく、「どうも申し訳ありませんでした」とフィールドに土下座して謝りだす始末。慈悲深いYは、お説教したあと無罪放免してやったそうだが、冷酷な私だったら容赦なく警察に通報していただろう。

 また、近隣に幾つもの大学のキャンパスがある関係で、例年歓迎コンパシーズンとなる4月は「特別警戒月間」となる。深夜に4~5人乗りで給油に来る学生たちは、ただでさえバカ(学校名は伏せます)なのだが、アルコールの影響で一段とバカになっている。防火塀に小便やゲロをするわ、奇声をあげて踊り出すわ、つかみ合いのケンカを始めるわで、これまで何度となく叱りつけてやったのだが、今後は、即警察に通報することにしよう。バカ学生が停学になろうが、放校になろうが、知ったことではない。再び、大沢親分ではないが、「喝だー!」

 もし、酔払い運転手が私の店に給油に立ち寄った際、それと知りながら見逃し、その直後に誰かがひき殺されてしまったなら、私にも道義的責任があるのではないだろうか─。フル・セルフに関わらず、全国のガソリンスタンドは飲酒ドライバーを厳しく監視すべきだ。彼らはお客様ではなく、りっぱな“犯罪者”なのだ。

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