セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.134 『掃除や修理もセルフ』 

GS業界・セルフシステム

2006-11-20

 先日、私の店のキャノピー灯のひとつが切れたので、電気工事会社に依頼したところ、水銀灯代、 高所作業車代、人足代を含めて六万円ほどかかるとのことだった。「六万円か…結構かかるなぁ」 と思いながら、キャノピーを見上げれば、ずいぶんススやムシがくっついている。 

 どうせ、今後もキャノピー灯は切れるだろうし、その都度五万円払っていたのではもったいない。 それに、定期的にキャノピーのすす払いをするためにも、ここはひとつ自分たちでやろうというこ とになった。そのためには、高所作業車の免許を取得しなければならない。スタッフのYに、二日 間の講習に行かせることにした。受講料約四万円也。 _Yは恐ろしく退屈な講習に耐えて、見事免状取得、早速水銀灯を購入。一個四千円也。ヘルメッ ト、安全帯、安全靴などを購入。一武七千円也。トラックマウント型・直進式の高所作業車が丸一 日借りて一万九千円。全部で七万円の出費となった。今後は、高所作業車のレンタル料と、資材代 だけで済むから、次回で元は引けるというわけだ。 

 水銀灯の交換もさることながら、キャノピーの端から端まで、ほうきと雑巾を手にYがていねい に掃除をしてくれたことで、随分光度が増したように思う。水銀灯のガラスグローブの中のムシの 死骸をかき出し、外も中もピカピカに磨く。天井にくっついているススやほこり、クモの巣や卵を こそぎ落とす。監視カメラのハウジングの上には、スズメの宿の名残りの土や薬があり、これも払 い落とした。営業中の作業のため、客に迷惑にならないよう、私は専ら地上で規制・誘導を行なっ ていたのだが、午前 10 時ごろから始めて、日没直前の午後 4 時過ぎまでかけて、しっかりと掃除 することができた。 

 今回のキャノピー清掃に限らず、セルフスタンドでは、メンテナンスは極力自分たちで行なうこ とにより、コストを抑えることができる。智にはセルフ給油をさせておきながら、スタッフは相炎 わらず人任せでは許されぬ。これまで、忙しさにかまけて業者任せにしていた計量機の部品交換や 照明器具の修理なども、セルフ化によって手持ち無沙汰になったスタッフが行なうことで、部品代 と工具代だけで済む。 

 セルフスタンドの精算機についても、自分たちでメンテナンスができるものを選ぶことをお勧め したい。 機器本体の価格もさることながら、その後のメンテナンスに年間どれぐらいのコストがか かるかも考慮に入れなければならない。ちなみに、私がホームページで推奨しているテクナセルフ システムは、そもそも故障が少ないうえに、大抵のトラブルはスタッフが自力で簡単に修復できる。 私がこのシステムを納入したスタンドも、大体電話でのやり取りでトラブルに対応してもらっている。 

 一見、横着に思えるかもしれないが、サポート体制が充実している”機器メーカーは、部品代 に加えて、出張料や交換料、時間外や休日であればその料金もしっかりと取る。三千円の部品を交 換するのに三万円も払わせるのが、本当にお客様への奉仕といえるのか。それよりも、ちょっと手 間をかけることになったとしても、自分たちで修繕してもらう方が、よほど親切ではないだろうか。実際、テクナシステムの導入店には、年間保守契約料は発生しない。 

 接客や作業に忙殺されるフルサービスのスタンドならいざ知らず、セルフスタンドのスタッフに は、メンテナンス要員としての働きを主たる業務として職務付けるべきである。そうすることで、 年間、かなりの額の保守料や修繕費を節約できるはずだ。もっとも、そんなケチ臭いことをしなくても、うちはその何倍も油外収益をあげるから大丈夫 だ”というお店もあるだろうから、そういう会社はいままでどおり高いメンテナンス・コストをお 支払いになればよろしい。六万円かかる修理を三万円で済ませて三万円稼ぐのと、人手と労力をか けて三万円の油外収益を稼ぐのとでは、どちらが効率の良い稼ぎ方だろうか。 

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