セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.163『今月のニュースから』

オピニオン

2007-06-25

 北海道苫小牧市の食肉加工会社「ミートホープ」のひき肉偽装事件。豚、羊、鶏などの肉を混ぜたひき肉を「牛100㌫」と偽って販売しただけでなく、賞味期限切れの肉を使用したり、動物の血を混ぜて着色したりと、様々な偽装のテクニックを駆使していたことが、日を追うにつれ明らかになっている。ひどい話だ。

 「混ぜる」という行為は、ガソリンスタンド業界人も厳に慎むべき行為である。しかし、どこの業界にもこの悪魔の誘惑に抗しきれない者がいるもので、ガソリンに灯油やベンゼンを混ぜて罰せられる業者はいまも後を絶たない。だが、忘れるな。当局や客の目を欺くことはできても、神様はちゃんと見ておられる。

 ところで、無印の独立系スタンドは、10日に1回、品確法に従って石油協会にガソリンの品質分析を委託してもらっている。その費用は年間10万円。しかも、近々18万円に値上がりするとの事。一方、元売系列店は年に1回、7千円を払うだけで済むというのに。“無印スタンドは混ぜ物をする悪者”と決め付け蔑視しているとしか思えない。納得が行かない。

 系列店は、元売印のガソリンを仕入れているから優遇されているというのなら、系列の看板を掲げながら業転ガソリンを“混ぜて”いる業者はどうなのか? 彼らにも、10日毎の分析義務を課すべきではあるまいか?そうすれば、石油協会も大幅(!)な収入アップとなるに違いない。

 話は変わって、東京・渋谷の温泉施設で起きたガス爆発事故。東京都から千葉県にかけての南関東の真下に天然ガス田が広がっているなんて、全然知らなかった。それはともかく、爆発の原因が、亀裂+ガス+空気+静電気=「予混合爆発」であったと聞くと、我々もいま一度施設の安全点検をすべきであろう。とりわけ、客に給油してもらうセルフスタンドでは、入念な点検が必要だ。ところで、温泉スパが併設されているセルフスタンドなんてないのだろうか?もし、あるのなら…。

 またまた話題を変えて、今月は株主総会ラッシュ。米国の“ハゲタカ”投資ファンド、スティール・パートナーズが、東証二部上場のブルドッグソースに仕掛けた株式公開買付け(TOB)は、法廷の場へと争いが移されることになった。

 株を公開するということは、何者かに買収される可能性があるということである。それが、気に食わない相手であったとしても、である。その大株主が、経営陣を刷新した方がより多くの配当をもたらせると主張するならば、従わざるを得ない。スティールは、過去にも明星食品やサッポロビールにTOBを仕掛けた結果、明星は日清食品の子会社となり、サッポロもアサヒビールとの提携が噂されるなど、業界再編を促すこととなった。

 スティールには、今度は日本の元売会社などの株を買い占めてもらいたい。そして株主総会で、こう言ってもらいたい。「この元売は、系列子会社に過大な設備投資をした上、採算性を度外視した価格で販売させている。そのため、系列子会社の赤字が連結決算の利益を押し下げ、配当を少なくさせている。こんな経営陣は即刻退陣すべきだ!」─。

 慌てた元売経営陣は、不採算の大型セルフスタンドを即座に閉鎖したり、採算販売をするよう指導するなどして、利益をあげさせることとなり、かくして業界の秩序が回復してゆくというお話…甘いか!?

…というわけで、今月のニュースから感じたことを気の向くままに書き連ねてみました。梅雨明けはもうしばらく先ですが、暑中お見舞い申し上げます。

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