セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.222『北京オリンピック』

エンタメ・スポーツ

2008-08-25

 北京オリンピックの中継を観て学んだことの一つに、中国語で「ガンバレ」は「加油」と書くのだということ。文字通りの給油を指すのにも用いられる語で、“ジャーヨウ”と発音するそうだ。日本でも、気力や体力が衰える事を“ガス欠”に例えたりするから理解できる。ちなみにガソリンスタンドは「加油站」と書くのだそうだ。

 さて、その北京五輪も閉幕した。五輪開催中に、ロシアとグルジアが軍事衝突、ロシアと欧米諸国との間に緊張が高待った。アメリカは黒海に戦闘艦を派遣、ポーランドにおけるミサイル配備も予定を早めて実施するなど、世界はきな臭さを増している。「平和の祭典」というスローガンが空しく感じられる。

 また、五輪後の中国経済の先行きを危ぶむ声がある。幾人もの著名なアナリストたちが、加熱する株や不動産投機が一気に冷え込み、バブル崩壊が始まると予測しているが果たしてどうなるのだろうか。こうした事柄は、たちまち原油価格に跳ね返ってくるわけだから、世界の平和と安定を願わずにはいられない。

 そんな暗い話ばかりしていないで、期待通りの結果を出した北島康介の力泳や女子ソフトボールの悲願の金メダル獲得のことなどを書けよと言われそうだが、「感動をありがとう」なんて面はゆいことを書く気にもなれない。本来、オリンピックというものにあまり関心がないうえ、ガソリンスタンドにこじつけられそうな競技はないなぁと感じていたのだが、野球日本代表(星野ジャパン)のオフィシャルスポンサーが新日本石油だということを思い出したので、これを取り上げたい。

 終わってから言うなと言われそうだが、わたしは中日監督時代2回、阪神監督時代1回の計3回、いずれも日本シリーズで優勝できなかった星野監督が適任者とは思えずにいた。要するに短期決戦向きの監督ではないのだ。その上、田淵・山本との“仲良しトリオ”が何だか緊張感がないな~と感じていた。

 星野監督による選手の人選・起用法についてはすでにネット上でボロカスに言われているからいまさら言及しないが、監督のせいで負けたと思っている人は少なくないだろう。別に新日石には何の責任もないのだろうが、例えば、日本石油・野球部が生んだ大投手にして名監督であった藤田元司(巨人)が存命だったらやらせてみたかったな、などと思ったりもした。それにしても、今回の惨敗で新日石の株価に影響が出たりしないだろうか…。

 オリンピックのような国際試合では、経験や実績のある選手を起用するというのが定説となっているが、本当にそうだろうか。かえってそれがマイナスに作用することも多々あるのではないか。野球に関して言えば、むしろ米国のようにマイナーリーグの若手選手で編成してみればよかったんじゃないかなとも思う。野手で言えば巨人の坂本や中日の堂上や西武の銀仁朗、投手ならロッテの唐川やヤクルトの由規や広島の前田といった20歳そこそこの選手たちに思いっきりやらせてみたらどうだっただろう。案外、いいところまで行ったかもしれないし、メダルが獲れなくても「いい経験になったっス」とニコニコしていればいい。

 失敗を恐れて経験や実績に過度に依存するのではなく、新しい発想や方法を取り入れて果敢に挑戦する─これは会社の経営にとっても必要なことと言える。もちろんガソリンスタンド経営にも。セルフスタンドも、昨年度ははじめて前年度より増加数が減り、解禁10年が経ち鈍化傾向にあるとのことだが、まだ全国のガソリンスタンドに占めるセルフの比率は16%程度。これまでの元売主導のやり方を見直し、思い切ったローコスト経営への転換をはかることで難局を乗り切ってゆきたい。いや、乗り切らねばならない。「加油!加油!加油站!」(がんばれ!がんばれ!ガソリンスタンド!)─。

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