セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.227『日進市セルフスタンド事情』

GS業界・セルフシステム

2008-09-29

 私は名古屋市の自宅から日進市の店までの片道30分(自動車)の道のりを、必ず行き返り別のルートで走るようにしている。その理由は、1件でも多くのガソリンスタンドの様子を見てまわりたいからだ。とりわけ、目まぐるしく変わる店頭表示価格はこまめにチェックし、対応するようにしている。

 全国的には、ガソリンスタンドは年々減少しているというのに、日進市周辺では、毎年のように新たなセルフスタンドが建設されている。今年の夏も、私の店から3㌔メートルほど離れた場所に、元売の直営セルフがオープンした。先日給油に行ってみると、ちょうどキャンペーン開催中で、茶髪の兄ちゃんが近づいてきて、「らっしゃいませ~、○□カードお持ちですか~?」と明るいノリで尋ねてきたので、「いえ、ないです」。

 「いま、2~3分ほどお時間いただいて申し込んでいただければ、きょうから15円引き(!)で給油できるんですけど、どおっすか?」「いや…クレジットは結構です」「わっかりました~、じゃあこれどうぞ」と言ってティッシュBOX5箱をくれた。「えっ、いいの?こんな物もらっちゃって」「どーぞ、どーぞ」─というわけで、千円分を給油しただけでいただいてしまった。それにしても、一定期間だけのことだろうが、15円も引くとは太っ腹だなぁ。

 気を良くした(?) 私は、もう1軒、今年に入ってリニューアルオープンした民族系のセルフスタンドにも立ち寄ってみた。ここはプリカやクレジットカードやメール会員などの組み合わせで、何通りもの価格メニューがある。説明してもらう必要を感じたが、アテンダーはおらず、現金で千円分給油して店を出た。価格看板は、最安値のクレジット価格が最も目立つ位置に表示されていたので、恐らく多くの客がその価格で現金給油ができると思って店に入ってくるのではなかろうか。現金給油した後、レシートに看板より5円も高い単価が表示されていたら客はどう感じるだろうか。価格看板を何種類出そうが構わないが、メインの表示価格は、その店でだれもが最低条件で給油できる価格を表示するのが客への誠意であるというのが私の持論である。

 また、別の外資系大型セルフでは、外接POSで支払方法や油種・数量などを設定し、確認ボタンで「はい」を選択したあと、「洗車しますか」と選択を要求してきた。(洗車をすると2円引きで給油できる)私は「いいえ」を押してようやく給油を開始したが、これって、その直前の流れでうっかり「はい」を押してしまう客が結構いるんじゃないだろうか。あとから「おれは洗車なんかするつもりはなかった」と言われたら、精算時にどう対応するのだろう。逆にガソリンの値引き分は取り消し、客に不足分を払ってくれと言うのだろうか。想像するだけで恐ろしいシチュエーションだ。

 この10年間、セルフ銀座として栄えてきた日進市だが、今年中に1軒のセルフスタンドが閉店することになった。そのスタンドは私が8年前にいまの店をオープンした数ヶ月後に、閉鎖されていた店舗を改造してオープンしたのだが、それに先立ち会社の幹部の方々が私の店にも見学に来られた。残念ながら、テクナシステムの導入は退けられたが、代わりに採用されたシステムが、よりにもよって私が忌み嫌うおつりをリライトカードに書き込んで返却する某社の精算システムであった。そのシステムを導入したから…とは言わないが、閉店は11月の下旬だというのに、すでに『閉店につきプリカ換金中』という大きな垂れ幕がかかっているのを目の当たりにし残念な思いに駆られた。

 セルフスタンドと一言で言っても、様々なシステムがあり、様々な運営形態がある。日進市はいわば、セルフスタンドの“見本市”のようなところだ。一度見てまわりたいという方は遠慮なくどうぞ。私が運転手兼ガイド役でご案内いたします!

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